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【TAROの競馬研究室】久々に逃げ馬の活躍が目立つ中山芝/皐月賞展望

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【TAROの競馬研究室】久々に逃げ馬の活躍が目立つ中山芝/皐月賞展望 | コラム | ウマニティ

先週の桜花賞グランアレグリアが今年初戦をモノともせず完勝。中111日での勝利は桜花賞史上過去最長ブランク。改めてノーザンF天栄の調教技術、調整能力の高さを示す結果となった。ちなみに、過去2番目に長いブランクは昨年のアーモンドアイが記録した中89日であるから、”時代は変わった”と言って良いだろう。特定の牧場育成馬や外厩施設経由馬に限った話かもしれないが、もはや久々は単純な割引材料ではない。

ちなみに勝ったグランアレグリアは早々にNHKマイルC出走が発表された。オークスにこだわらないのもまた最近の特徴だろうか。ラインクラフト以来の”変則2冠”が期待される。今年の牝馬戦線は層が厚く、忘れな草賞を無敗で制しオークスに向かうことになりそうなラヴズオンリーユーなども含めて、今後が楽しみになった。


~昨年までよりも内有利、逃げ先行有利の中山芝

さて、皐月賞にはまたしてもノーザンF天栄を経由し今季初戦となるサートゥルナーリアが出走する。こちらもまた”予定通りのぶっつけ本番”となるだけに、当然それ自体を割引するわけにもいかないだろう。

もっともギャンブル的に言えば、”久々は割引材料”と思われて過小評価される中だからこそ買える材料になるわけで、昨年の菊花賞フィエールマンや先週の結果を受けて今さらそういったところで、旨味自体はなさそうだ。先週のグランアレグリアの勝利が、今週のサートゥルナーリアの人気に拍車を掛けることは間違いないだろう。

そんな中で、皐月賞へ向けてもう一つ別の視点をお届けしたい。それは今年の中山芝の馬場状態についてである。勘の良い方は既にお気づきかもしれないが、この春の中山開催は近年の中では久々に”内枠先行有利”が復活している。

かつての中山の代名詞でもあった内枠先行馬場だが、2011年の震災による当時の馬場管理費の削減(※諸説あり)、2014年の中山の路盤改修、さらには近年の柔らかい馬場づくりの方針などによりすっかり傾向が変わっていた。

例えばヴィクトリー皐月賞を制した2007年の中山芝は総じて内枠先行が有利で、当時の春の中山開催の芝のデータを見てもそれは明らかである。

◆2007年春の中山開催芝の枠別成績&逃げ馬成績

1枠(11.2.13.83) 3着内率 23.9% 複勝回収率 109%
逃げ馬(18.8.6.49)3着内率 39.5% 複勝回収率 119%

ご覧の通りこの年は明らかに逃げ&内枠が優勢だった。

ところが馬場改修があった後の2015年になると…

◆2015年春の中山開催芝の枠別成績&逃げ馬成績

1枠(9.7.9.85) 3着内率 22.7% 複勝回収率 51%
逃げ馬(9.7.7.61)3着内率 27.4% 複勝回収率 70%

ご覧の通り逃げ馬の成績は落ちて、内枠の有利も軽減された。

この傾向はこの後も一貫していたのだが、今年になるとやや変化が見られた。先週までのデータにはなるが…

◆2019年春の中山開催芝の1枠&逃げ馬成績

1枠 (9.4.7.71) 3着内率 22.0% 複勝回収率 69%
逃げ馬(17.10.1.43)3着内率 39.4% 複勝回収率 86%

ご覧の通り、特に逃げ馬の活躍が目立つようになっている。もちろんデータが全てではないことは大前提ではあるが、毎週見ている身としてもこの数字はある程度実感に沿ったものである。したがって、今週末もし天気が持つようならば、皐月賞に関しては例年より前を重視した方が正解かもしれない。

なお、余談であるが田辺騎手が不振気味なのもこの馬場が影響していると考えられるのだが、それはまた長くなりそうなので別の機会に取っておこう。


皐月賞の伏兵候補は?

以上を踏まえた上で今年の皐月賞を考えると、外枠の不利も少なく時には有利となる中山芝2000mとはいえ、例年よりは前に行ける馬や内の馬が気になるところだ。

人気のサートゥルナーリアロードカナロア産駒らしく器用さもあるので、現状の馬場は大歓迎とは言わないまでも全く問題はないだろう。また次ぐ人気と集めそうなヴェロックスは積極策を打つことが多い川田騎手だけに、これまた悪くない。ダノンキングリーはスタミナを問われると厳しい印象があるので、今季の馬場は大歓迎。ただし雨が降ると一気に評価を落としたくなる。

上位勢はそれなりに…という感じだが、牝馬よりは混戦模様なので穴っぽいところにも目を向けたい。その中で今季の馬場の趣旨に合っていると考えられるのは、ファンタジストクラージュゲリエあたりだろうか。

ファンタジストは距離に不安がある分、スタミナを問われない馬場は良いし、2枠3番と枠も良いところを引けた。クラージュゲリエはコース替わりは歓迎であるし、何より内伸び馬場には滅法強い横山典騎手を鞍上に迎える。天気が持つことが大前提にはなるが、伏兵は例年よりも前&内枠に寄せて考えている。皐月賞以外も含めて、今年の中山芝の馬場状態については改めて今後に向けても確認しておきたい。

皐月賞の最終結論は、ブログ『TAROの競馬』にて無料公開します。


○TARO プロフィール

大川慶次郎さんの予想に魅了され、中学2年の時にネット掲示板で予想スタート。2004年にブログ『TAROの競馬』スタート。2009年9月『競馬最強の法則』で連載開始。2012年より開始した有料メルマガ『回収率向上のための競馬ノート』はまぐまぐ競馬部門で読者数第1位。著書に『ラッキーゲート』
(KKベストセラーズ)、『回収率を上げる競馬脳の作り方』『回収率が飛躍的に上がる3つの馬券メソッド』(いずれも扶桑社新書)。2018年12月14日には最新刊『万馬券の教科書 -新時代のサバイバル穴予想術』(ガイドワークス)をリリース。

このコラムへのコメント

TERAMAGAZINE|2019年5月13日 22:06 ナイス! (0)

今季の馬場の趣旨に合っていると考えられるのは、

ファンタジスト

クラージュゲリエ

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