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マイルチャンピオンシップ南部杯は、あのメイセイオペラを送り出した岩手最大のレース。JBCスプリント、JBCクラシックの前哨戦ですが、さすがG1のマイル戦だけのことはあって、同年のフェブラリーS上位馬やかしわ記念の上位馬が集います。休養明けの実績馬VS上がり馬の図式が作られますが、一線級が集うだけのレースだけあって、上がり馬はほとんど通用していません。
実績馬の中でも最有力は、同年のかしわ記念の連対馬。同年のかしわ記念で連対した馬のこのレースでの成績は、過去10年で【8・2・1・0】と大活躍。2016-2017年にコパノリッキーの連覇、2009-2010年、2012年にエスポワールシチーが連対、遡れば2006-2008年のにブルーコンコルドの3連覇したこともあります。これはかしわ記念は帝王賞の前哨戦、マイルCS南部杯はJBCの前哨戦と距離ばかりではなく、レースの位置付けが同じなのも理由でしょう。
ただし、こういったマイル路線の実績馬が圧倒的に強いという傾向があるからこそ、ちょっとした上り馬が馬券に絡むだけで高配当になります。2010年の勝ち馬オーロマイスターは、前走エルムSの2着馬でしたがこのレースでは4番人気。2着に大本命馬エルポワールシチーが入線しても、馬複で2020円も配当がつきました。さらにこの年は、3着に11番人気のグランシュヴァリエが入線したこともあり、3連単131万円を超える超高配当が出現しました。
このグランシュヴァリエは、どのような馬だったかというと、中央時代も含めて、ダ1600mで4勝、ダ1700mで1勝を挙げたマイル実績が抜群の馬。しかし、近走は賞金の高い中距離路線のダートグレードで戦って、後塵を拝していた馬でした。前走・日本テレビ盃で9着凡退から、この距離に替わって一変したのです。
実は、日本テレビ盃組の巻き返しは、この馬ばかりではありません。2012年にも6番人気のダイショウジェットが、前走・日本テレビ盃・4着からこのレースでは2着と好走しています。この馬も前年のオーバルスプリントを制すなど、ダ1400mのダートグレードでの連対実績がある馬でしたが、休養明けの同年のオーバルスプリント4着、さらに日本テレビ盃でも4着に負けたことでこのレースでは人気薄になりました。
確かにグランシュヴァリエやダイショウジェットも短距離指向が強い馬ではありましたが、日本テレビ盃凡退から巻き返したもうひとつの理由として、マイルCSよりもJBCクラシックと同距離で行われる日本テレビ盃のほうが、メンバー質が高いのもあります。日本の場合は、エリート馬は中距離路線に出走し、そこで通用しなければマイル戦、そこでも落ちこぼれるとスプリント戦と距離を短くしていく傾向。つまり、中距離路線で結果が出なくてもマイル路線で結果を出せる場合があるので、必然と穴メーカーは前走中距離組ということになります
最後にさらに穴パターンを挙げると、なんといっても過去10年で唯一の馬連万馬券決着の立役者となったノボバカラでしょう。同馬は7番人気で2着と好走しました。ダートグレードで3勝の実績がありながら、驚くほど人気がなかったのですが、3歳時のユニコーンS・2着の実績はあったものの、古馬になってからはスプリント路線を主体に使われ、さらに近走の芝のレースで大敗していたからでしょう。
しかし、前年のプロキオンSやカペラSで昨年のJBCスプリントの覇者ニシケンモノノフを撃破しているように、1~2番手でレースを進めるとかなりしぶとい馬でした。こういった複合系から人気の盲点となった可能性が高いですが、手前味噌ながら昨年のこのレースは当てることができました。最後の決め手となったのは、逃げ馬がノボバカラしかいなかったからです。
実は、マイルCS南部杯というのは、逃げ馬が活躍しているのです。マイルCS南部杯で逃げた馬の成績は、過去10年で【4・3・0・2】(盛岡開催時のみ)。連対できなかったのは、2007年のキングスゾーンと2015年のポアゾンブラックですが、ともに4着、5着と善戦はできています。今回で逃げる馬が明確ならば、その馬は本命馬や相手候補として、一考の価値があるでしょう。
まとめるとこうなります!
●本命候補
・同年のかしわ記念で連対していた馬。
●穴馬候補
・前走で中距離路線を使われていた馬。
(ダートグレードで連対実績があればさらに有力)
・今回で逃げる可能性が高い馬。
(ダートグレード勝ちの実績がなければ、4コーナーまで息が持たないので要注意)
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