ビター ティーさんの競馬日記

一人勝ちだったデアリングタクトの秋華賞! レース展開に学ぶ菊花賞の予想とは・・・

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 圧勝で無敗の三冠牝馬に輝いたデアリングタクト。牝馬クラシック路線は、2冠馬だつたこの馬の相手の序列が決められない・・・と、レース前の予想に悩まされた秋華賞でした。

 結果はご存知の通り、牡馬の決戦よりも一足早く、期待に応え無敗でデアリングタクトが歴史的な栄光を手に入れました。

 「一脚速く」ではなく「一足早く」と表現した理由は、言うまでもありません。十中八九コントレイルが勝つだろうと思っているからです。しかし、牡馬の場合はナンバー2の馬を決めることに悩まされずに済むところが秋華賞と違うと思っています。

 秋華賞は、強いライバルと言える馬がいなかったので予想で悩み、レースの結果も、それを裏付けるもの(ヒモ荒れ)になりました。上位人気の他の馬は悉く惨敗して、上位に入着したのは下位人気の馬ばかり。2着は10番人気で、3着は9番人気!これに続いて掲示板に乗ったのは、12番人気と16番人気。
 嘘みたいな悪夢とも言える結果で、デアリングタクトの強さだけが際立った牝馬三冠の最終戦でした。

 これでは予想が的中するはずがない。私的には穴馬として興味があった14番人気のオーマイダーリンがもう一歩で掲示板の6着に来てくれたことで「惜しかったなぁ」と負け惜しみとも嘆きとも言えない言葉を吐いて、溜息を吐くのがせいぜいです。

 ところが、神様は違いますね。スガダイさんは3着に来たソフトフルートを注目馬の2番手に挙げていましたから。しかも、抽選漏れで出走できず、メインレース前の大原ステークスで楽勝したレイパパレにも注目していました。これで抽選を突破していたら・・・相馬眼と予想する感覚はさすがです。

 さて、これからが本題『「秋華賞のレース展開に学ぶ』です。10番人気のマジックキャッスルがどうして2着に来られたのか、レース展開をよく見ると頷けるものが見つかります。


 レースの序盤、デアリングタクトは、いつもの通りは後方に控えて脚を貯めてながら追走します。マジックキャッスルも後方に控えていたのですが、向こう正面で展開のアヤとなる偶然が重なりました。いつの間にか、デアリングタクトの直後に位置取りする格好になりました。(意図的にその位置を取りに行ったようには見えませんでした)

 その絶好機を大野騎手は逃さず、直後にぴったりついて絶対的本命馬を徹底マークしたようでした。

 レース中盤、マジックキャッスルを引っ張るような形でデアリングタクトが追い上げを始めると、マークを外さないように一緒に上がっていきます。
 

 勝負どころの4コーナー出口。「・・・も進出。デアリングタクトは、この一角にもう居ます。好位に取り付いている。4コーナーから直線。・・・」と実況アナウンサーが伝えています。間を割ってデアリングタクトが伸びて先頭に躍り出ようとした瞬間、真後ろの位置から、ぽっかり空いたビクトリーロードの内側にマジックキャッスルは持ち出されます。

「間から13番のデアリングタクトが抜け出した。懐に潜り込む12番のマジックキャッスル。」と、実況が叫びます。
2頭が併せ馬の形になって先行勢を交わして行きます。


「外からパラスアテナ、ソフトフルート。それを従えて13番デアリングタクト。リードを取って1着でゴールイン。」「2着12番マジックキャッスル。無敗で牝馬三冠、達成!」と興奮気味に三冠達成を盛り上げようとする実況アナウンサーの声が聞こえてきます。

 やはり、マークすべき相手を間違えずに上手にレースできた馬は、その能力を存分に引き出されて、好成績を収めることができるのです。その典型的な例として、秋華賞の結果をレース展開から学ばなければならないと思います。

 マジックキャッスルは2着になりましたが、本命馬との能力差によっては逆転することもあります。この場合は、デアリングタクトがあまりにも強すぎたので、あり得ないことでした。


 さて、同じ不敗三冠の達成が期待されるコントレイルの場合はどうでしょうか。菊花賞でマジックキャッスルと同じレース展開に持ち込める馬は居るでしょうか。

 菊花賞の予想をする上で、、これは重要であると考えています。そして、コントレイルとの比較で能力差はどのくらいなのかを考察することも忘れてはなりません。

 先ず、牝馬路線と牡馬路線の違いをもう一度確認しておきたいと思います。一つ目は、コントレイルが2歳でもG1を勝っており、すでにG1を3勝。G2・G3をそれぞれ1勝で、重賞5勝をあげた更に強力な王者として出走してくること。

 二つ目は、休養明けに前哨戦を挟んで、より万全な体勢で三冠の最終戦を迎える、ということ。

 三つ目は、相手の選択に秋華賞ほど悩まなくても済むライバル、ナンバー2が存在している、ということ。これまでは、サリオスが強力なライバルでしたが、距離適性やコントレイルの強さを認めて路線転向・離脱してしまいました。

 最後に、これまでの6戦は、デアリングタクトよりも楽に勝利している、ということ。G1以外ではノーステッキでゴール前は流しても勝てる余裕も持っている。2着馬につけた着差も大幅にデアリングタクトを上回っていましたね。


 これらを踏まえて、コントレイルを徹底マークできそうな馬はいるのか?相手本線になるナンバー2はどの馬か?を考察すると・・・ヴェルトライゼンデをナンバー2に選ぶことになります。

 セントライト記念を4連勝で勝ったバビットを対抗に挙げる方もいるでしょうが、戦ってきた相手が違います。これまで本当に強い馬と戦った経験がありません。

 ヴェルトライゼンデは、ダービー以降に限定すれば、コントレイルとサリオス以外に先着を許していません。ダービー前を含めた全レースで唯一の例外は、皐月賞ですが、これについては後で述べたいと思います。2歳G1ホープフルステークスでもコントレイルの2着に来ている実力馬です。サリオスがいなくなったこの路線では間違いなくこの馬がナンバー2になります。

 では、マジックキャッスルのような展開に持ち込める馬の存在は・・・これも何と!他ならぬヴェルトライゼンデで間違いないでしょう。その根拠の一つ目はホープフルステークスの展開です。5番枠から内側2番枠のコントレイルをマークして0.2秒差の2着にきています。

 二つ目は、前走神戸新聞杯。ここでも大外18番枠から2番枠のコントレイルを徹底マークして、0.3秒差の2着に健闘しています。

 三つ目は、8着に敗れた皐月賞です。馬群に包まれて追い出しができなかったことばかりが敗因に挙げられていますが、相手へのマークという観点で展開を見直してみましょう。

 コントレイルとの関係性から見れば、相手を一切マークしていないレースです。コントレイルは最内1番枠。ヴェルトライゼンデは17番枠です。ホープフルステークスとほぼ同じ枠順の関係でスタートしています。

 では、何故コントレイルの後方の位置を取りに行かなかったのか? 行けなかったのか?ホープフルステークスと何が異なっていたのか。

 この2頭の間にいる7番枠サリオスの存在、影響が大きかったのです。皐月賞で初対決する2頭の2歳G1馬。どちらが勝つかが話題になっていました。。この時点では、いずれが最強か分っていませんでした。

 ヴェルトライゼンデは、枠順で近いこともあり、コントレイルよりも前に位置取ったサリオスの方をマークする相手に選んだのは自然の流れだったと解釈しています。

 結果として、マークするべき相手を間違えたことになり。サリオスが追い出したタイミングで、内側に入ろうとしたのですが、進路が開かず、内ラチ側に押し込められる展開になって着順を下げてしまったと感じました。

 続くダービーでは、皐月賞の結果が影響して10番人気まで評価を落としましたが、発走枠が隣同士だったこともあり、再度コントレイルを徹底マークして3着に巻き返えすことができました。休養明けの前走も同じ展開に持ち込んで2着。着差もホープフルステークスと同じ程度ですから、コントレイルの成長度合いと変わらない成長が認められ、ナンバー2の座を不動にしたのではないかと予想しています。

 秋華賞のマジックキャッスルと同じレース展開に持ち込むことができれば、逆転の芽も少しは残されているかもしれません。マジックキャッスルとデアリングタクトほど決定的な能力差は、コントレイルとの間にないと思うからです。

 菊花賞は、この2頭を軸に予想を組み立てたいと思います。

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