山崎エリカさんの競馬日記

今週の見所(京都記念など)

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2019年 共同通信杯、京都記念
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●共同通信杯

昨日のクイーンCの「見所」で、クイーンCは桜花賞への前哨戦の意味合いを持つレースであることをお伝えしました。共同通信杯も同じで、弥生賞やスプリングSと並ぶ、皐月賞の前哨戦の意味合いを持ちます。弥生賞やスプリングSと異なるのは、皐月賞への優先出走権があるかないかです。

つまり、すでに朝日杯フーチュリティS勝ちの実績があるアドマイヤーマーズは、総収得金額上位の枠で皐月賞にも出走できるし、NHKマイルCにも出走できるということ。わざわざトライアルに出走する必要がないのです。ですから、共同通信杯で勝ち負けして、本番に直行すれば、弥生賞やスプリングSからの優先出走権獲得のチャンスを、例えば、きさらぎ賞で勝ちそこなった他の同系列牧場の馬たちに渡すことができます。もちろん、先週のゆりかもめ賞を強い勝ち方をしたサトノジェネシスなどにもです。

だから、クラシックがノーザンF系列の馬たちで埋め尽くされていく――。他牧場で賞金が足りていない有力馬がいれば、出走予定のなかった馬にも出走させることが可能という、素晴らしいシステム(?)です。これが競馬をつまらなくさせてはいますが、ルールの範囲内で行っているので、仕方がありません。

今回、伝えたいのは、前記システムの批判ではなく、このレースの連対馬ディーマジェスティ、ドゥラメンテ、イスラボニータ、ゴールドシップなどが、本番・皐月賞を制したのは、必然であるということ。もともと実績馬やそれに対抗できる素質を秘めた馬たちがこのレースを使い、重賞で敗れた馬や遅れてデビューした馬たちが皐月賞トライアルに回るわけですから、本番に繋がることが多いのは当然でしょう。

今年はその筆頭が朝日杯フーチュリティSを強い勝ち方をしたアドマイヤマーズですが、他にも小頭数ながら素質馬が多数。また、今回も本来は札幌2歳Sの時のように、持久力を生かしてこそのナイママの陣営から、「末脚生かしたい」というコメントが出ているだけに、高速馬場前提ならば、前に行く馬が楽にレースを運べそうな感はあります。

メンバー最速の上がりで勝ち上がって来た馬たちを相手に、ナイママが末脚で挑むというのは可笑しな話ですが……脚をタメれば、どの馬も切れる脚を使えますが、どの馬も33秒台の末脚が使えるわけではありません。しかし、明日、土曜日の雪の影響で、東京が高速馬場ではなかった場合には、その選択も正しいものになるかもしれません。もちろん、今回は相手指定ですが、先週のきさらぎ賞同様に、馬場が悪くなるほど、波乱の要素を含みます。


●京都記念

京都記念は、一昨年よりG1に昇格した大阪杯の前哨戦であり、ドバイワールドCの前哨戦でもあります。また、昨秋のG1で上位争いをした一線級の馬たちにとっては、休養明けの始動戦になります。前走でジャパンCや有馬記念、日経新春杯、昨年のクリンチャーやアルアインのように菊花賞組など、距離2400m以上を使われている馬が多く出走してくるのがこのレースのポイント。

前走で今回距離よりも長距離を使われている馬が多く参戦することや、例年のように少頭数で行われることもあり、芝2200m戦としては各馬の仕掛けどころが遅くなることがほとんど。過去10年でまあまあ速い流れだったのは、雨の影響を受けて時計の要す馬場となった一昨年のみと、とてもスローペースが発生しやすいのがこのレースの傾向です。

レース全体の傾向としては、逃げ、先行馬が圧倒的に有利であり、3年前に1番人気に支持されたレーヴミストラルが1番人気で2桁着順に敗れたように、追い込み馬は受難。また、4年前に断然の1番人気に支持された追い込み馬ハープスターのように、スローペースを意識して、普段よりも早めに仕掛けて最後失速と、人気を裏切るケースも少なくありません。

つまり、追い込みタイプは狙い下げる必要があるということ。過去10年でこのレースを差して勝ったのも、次走の天皇賞(春)でも2着と好走した抜群の末脚を持つ2013年のトーセンラーのみです。今年のような差し馬場の京都でも基本的には先行馬から予想を組み立てるのが好ましいでしょう。


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