山崎エリカさんの競馬日記

今週の見所(日経新春杯など)

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2020年 京成杯・日経新春杯
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●京成杯

中距離路線のトップクラスは、前年の暮れに行われるホープフルS(旧ラジオNIKKEI杯2歳S)を目標にするため、かつてからこのレースはクラシックにあまり縁がありませんでした。直近でもこのレースの優勝馬、サンツェペリン(2007年)やエイシンフラッシュ(2010年)がクラシックで連対した程度です。

その上、近年はホープフルSがG2、G1に格上げされたことで、よりクラシックに繋がらなくなりました。ホープフルSがG2に昇格した2014年以降、このレースを経由した馬のクラシック連対馬は皆無です。特にホープフルSがG1に昇格後の2016年以降、このレースのレベル低下が著しく、前走で未勝利や新馬戦を勝ったばかりのガンサリュート(2017年)、コズミックフォース(2018年)、ラストドラフト(2019年)がこのレースで連対しているのはそのせいでしょう。

また、このレースが行われる中山芝2000mは、最初の1コーナーまでの距離が約405mと長く、逃げ、先行馬が集うと先行争いが激しくなります。テンが遅い馬でも1コーナーまでに先頭に立てるチャンスがあるため、結果、前半3Fが速くなりやすいということです。ただし、スタートしてからゴール前の坂を上って行くコースなので、前半3F34秒台など、極端に速くなることもりません。

坂で動かずに向こう正面で動いて結果緩みないペースになることもありますが、京成杯はそこまで逃げ、先行馬が揃わないこともあり、ほとんどの年が平均ペース前後で決着しています。明確にハイペースになったのは、過去10年ではコスモイグナーツが大逃げを打ち、前半3F35秒4までペースアップした一昨年くらい。逆に、明確にスローペースだったのも、逃げ馬が不在だった2010年くらいです。

今年は前走で逃げている馬が、ロールオブサンダー、ヒュッゲ、スカイグルーヴの3頭。スカイグルーヴは前走の新馬戦が最内枠で自然とハナに立つレース内容だっただけに、逃げにはこだわるタイプではないはず。テンのスピードの違いでロールオブサンダーがハナが濃厚も、ヒュッゲが逃げる可能性もあるでしょう。

ただ、昨日はオープンのニューイヤーSで決着タイムが1分35秒8(ラスト1F13秒0まで落ちるハイペース)と要したように、現在の中山はタフな馬場状態。昨日は降雪の影響もあり、本日は回復に向かうとしても、時期的にすぐには回復しないでしょう。つまり、騎手も時計の掛かる馬場というのを理解しているので、無理な競り合いは避けて、探りながらの競馬になるでしょう。

おそらく今年も今年も平均ペース前後の決着が濃厚。この時期の3歳戦は、先週のシンザン記念同様に成長比べであることを踏まえ、どの位置からでも脚が引き出せる想定で予想を組み立てたいです。


●日経新春杯

古馬中距離のハンデ重賞となる日経新春杯。このレースは、2009年のアドマイヤモナーク(前年の有馬記念・2着)や2014年のラブイズブーシェ(前年の有馬記念・4着)のように、前走・有馬記念で好走した馬の凡走がしばしば見られます。G1を大目標とした後の間もない一戦で、余力がない上にハンデが課せられるからでしょう。

一方、菊花賞上位馬や前走条件戦勝ちの4歳馬や上がり馬の活躍がしばしば見られます。勢いがある上にハンデが軽いからでしょう。特にこのレースで穴を開けているのは、2013年の優勝馬カポーティスター(ハンデ52kg・5番人気)や昨年の3着馬ガンコ(ハンデ52kg・7番人気)など、前走条件戦勝ちの軽ハンデの4歳馬が大半。

ハンデキャッパーがいかに新興勢力を求め、この先のAJCCで実績馬vs新興勢力の対戦図式を作ろうとしているのが伝わってくるほどです。ハンデキャッパーの思惑どおりにならないのが競馬ですが、大きな傾向としては、実績馬よりも勢いがある馬が優勢と考えてもいでしょう。

また、日経新春杯が行われる京都芝2400mの舞台は、4コーナーの奥ポケットからスタートして最初の1コーナーまでの距離が約600m。最初のストレートが長いこともあり、逃げ馬の出方ひとつでレースの流れが大きく変わります。多少行きっぷりが悪い馬でも、騎手の意識ひとつで逃げることが可能。

2010年のように、逃げ馬揃いながらハンデ50kgのドリームフライトがゲート出たなりに行かせてオーバーペースが発生した年もあれば、長距離戦らしく、昨年のように序盤で先行争いが激化した後、道中でメイショウテッコンが捲って緩みないペースになることもあります。また、2016年のように逃げ馬不在で超絶スローペースが発生することもあれば、2018年のように逃げ馬がロードヴァンドールのみで単騎マイペースで逃げられることもあります。

つまり、最初のストレートの長いコースほど、展開のバリエーションが富んでいるのですが、予想する側にとっては、それが悩みの種になることもあります。さて、今年はどうか? 長期休養明けのサイモンラムセスがどこまで思い切って行けるかにもよりますが、ロードヴァンドール、場合によってはハンデ51kgのエーティーラッセンがドリームフライトのように、ゲート出たなりで行かせる可能性もあります。

正直、難しいのですが、ある定地は前半のペースが上がる可能性が高いでしょう。あとは向こう正面で捲る馬がいるかどうかですが…差し馬有利になる可能性が高いと見ています。また、今年の京都はタフな馬場だけに、ステイヤー適性も重視して予想を組み立てたいです。


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