グリーンセンスセラさんの競馬日記

正月早々 野暮な話 プロに聞く万馬券を見抜く方法。

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万馬券が出るレースを見抜く方法を人気予想家に聞いてみた─日刊SPA!2019年01月03日(木)https://nikkan-spa.jp/1539964

万馬券を取りたい……。競馬ファンなら誰もが夢見ることだろう。では、どうしたら万馬券を手にすることができるのか? この全ての競馬ファンの夢を叶えるため、競馬ファンから熱い支持を得るプロ競馬予想家・TARO氏とナツ氏が予想の極意に迫る。

――まず、お2人は20年以上の競馬歴の中で自分流の予想のロジックを確立なさっていると思いますが、馬券を買うときはどういった点に注目しているんでしょうか?

TARO:拙著『万馬券の教科書』(ガイドワークス刊)でも、「『荒れるかも』と見抜くのも立派な予想」と書いているとおり、僕は荒れそうなレース、つまり人気馬が来ないレースを狙って買っています。極論ですけど、もし100万馬券が出るレースを見抜く能力があったら、18頭全頭のボックスを4896通り買えばいいんですから。それこそ競馬で家が建ちますよ。走る馬を探すのが予想だと捉えている人は多いと思いますが、僕は、それ以外の部分の予想こそが大事だと思う。

――穴党・TAROさんの競馬思想の根幹部分ですね。

TARO:競馬をやってると、「今回に限ってはこの馬は大丈夫だろう」なんてふと思うことがありますよね。でもギャンブルは僕らの予想を裏切ってくる。馬Aが馬Bに勝って、馬Bが馬Cに勝ったから、馬Aは絶対に馬Cに勝てるかっていったら、まったくそんなことはない。去年11月のジャパンカップでレコード勝ちした三冠牝馬のアーモンドアイだって、今後どこかで飛ぶことは大いに有り得る。例えば宝塚記念(阪神競馬場)の2200メートルにもし出走する場合、タフな馬場だったとしたら危ないと思いますよ。’17年に単勝1.4倍の圧倒的1番人気から9着に終わったキタサンブラックがいい例です。

──あのレースでは3連単の配当が7万円超でした。この対談をチェックしている読者諸氏も、荒れるレースを見抜く目がぜひともほしいはず。続いて、ナツさんの馬券術のポイントを伺いたいと思います。

ナツ:僕はすべての新馬戦を見て、ダートや芝、馬体などを含めてチェックして、いいレースをした馬はその先ずっと追うようにしてます。新馬戦には、その馬のポテンシャルが如実に表れると思うからです。実際、昨年12月の朝日杯ではグリノガウディーが激走(9番人気で2着)しましたけど、僕にとっては意外じゃなかった。前走の東スポ杯では12番人気の7着でしたが、それでもあの馬は新馬戦での走りがハイレベルだったことを僕は知っていましたから、そういうつながりで朝日杯の予想ができたわけです。

TARO:あと、レースの構造も覚えておくべきですね。たとえばナツさんが得意な2歳戦でいうと、冬場はダート戦が多くて、芝のレースは午前中にひとつだけなんてこともあります。そうすると、芝の未勝利戦にすごく良い馬が集まったりする。そのレースを4、5着で走って、休みに入り、それが5月ぐらいに復帰すると、久々のレースだから人気がないわけです。でもそれは前走からのレース間隔や着順だけにみんな目が行ってしまっていて、そのレースがハイレベルな戦いだったことを忘れてしまっているだけなんですよ。

ナツ:馬の能力を正しく評価するには、レースのレベルも加味しないとダメ。前走2着ってだけで強いとみなすのは負け組ですよ。レベルの高いレースで勝てる馬じゃないと意味ないですから。

――冬のハイレベルなレースで気になる馬に目を付けておいて、春以降のレースでどうなるかまで先を見越しているんですね。さて、競馬ファンの興味はこれから年明けの金杯に移るわけですが、その前にお2人は先日の有馬記念(中山競馬場)はどう予想してましたか?

TARO:出走馬を見ると、レイデオロ以外に信用できる馬はいない状況でしたし、レイデオロに何かあれば一発で荒れるレースとみていました。しかもレイデオロに騎乗するルメールは、さすがにそろそろ運の流れが離れてくる頃合いだと思ってたんですよ。中山の2500は、格下によるジャイアントキリングもありますしね。だいぶ古いですが、’96年の有馬記念で14番人気から3着したマイネルブリッジの例もありますし。でも、結果的には迷った末に全く外してしまいました。

ナツ:ほぼ消していいオジュウチョウサン人気のおかげで、オッズ的には美味しくなったんですけどね。スタミナレースになったらキセキが引っ張るだろうし、リッジマンも最後まで残っちゃうかもしれない。万が一ですけど、マカヒキの3着もあると思ってました。

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内が有利な年明けの京都に異変有り!?


⒉🏇 内が有利な年明けの京都に異変有り!?

――では、気を取り直して、2019年の勝負は、どの辺りに注目ですか?

ナツ:僕が1番話したいのが、京都金杯(京都競馬場)ですね。馬場にエアレーションシャッタリング処理をするようになった結果、これまで内枠有利と言われていた京都金杯が、そうじゃなくなったっていう。

TARO:え、やっぱ今後はそうなるんですかね? 2018年の京都金杯で外枠の馬が来た(9-13-7)のは、秋の京都が大雨続きで、馬場が荒れてたから差しが届いたのかと思ってたんですけど。

――エアレーションシャッタリング処理というのは芝のメンテナンスですか?

TARO:芝をかき回して掘り起こすことです。主催者側は、やわらかい馬場を作ろうとしてるんだと思います。

ナツ:香港のようなめちゃくちゃかたい馬場じゃなくて、どっちかっていうとヨーロッパ寄りの馬場にしたいんでしょうね。これを実施しているかどうかで、レース展開は大きく違います。昨年12月の阪神競馬場のレースは1週目も2週目も前が止まらない展開が多かったんですが、あそこはエアレーションシャッタリング処理をしていません。一方、中山競馬場はエアレーション処理のみ実施していて、差しが結構決まっていました。

TARO:だからこそ年明けの京都は、かつてと違ってあれですか、ナツさん的には差しが決まるという見解ですか。

ナツ:そうです。みんな開幕週の傾向を知ってますから、人気は内に行くでしょう。でも、2018年のレース結果を見ると、エアレーションシャッタリング処理の影響で、開幕週は差しが決まり、2週目3週目のレースでは内っていうふうに、逆行してるんです。絶対今までだったらあり得ないじゃないですか。最終週の内側なんか、馬場がボロボロになってるはずなのに。

TARO:掘り起こされた馬場って、馬がたくさん走るうちに固められて、走りやすくなるんですよね。だから終盤のレースになると内が伸びたりしますよね。

ナツ:おそらく去年と同じ馬場調整のはずなんで、2019年の京都金杯は、外差し馬場。差し馬が来る可能性があるんじゃないかと思ってます。あとは、ひと昔前って、枠順って誰も知らなかったじゃないですか。

TARO:確かに、単純にその馬の能力だけで評価されてるところはありましたね。

ナツ:今はもうこれだけ情報が溢れちゃってるんで、その人たちの逆を行くっていう。たとえば、枠順だけで嫌われている馬。

TARO:有馬記念で3着のシュヴァルグランが典型的な例ですが、内枠有利のイメージが付いているレースで、意外と8枠の馬が来たりね。すごい穴になりますよね。

ナツ:そういったところを踏まえて予想はしたいですね、ハイ。

次のページ 🏇冬場のデブ馬は激走する!?

冬場のデブ馬は激走する!?

――ちなみに1月2月っていうのは、気候的な部分による馬場への影響も含めて、レースが荒れやすい時期だったりするんですか?

ナツ:やっぱり、冬は寒いですから、いままで実績を積んできた馬であっても、太め残りがかなり多くなってくるんです。しかも季節柄タフな馬場になる。そうなると馬格があって丈夫な馬にとっては、周りの馬の状態が悪いぶん、うまく上位に入りやすいわけです。そういうケースが結構あります。

TARO:基本、冬って有力馬はあまり使わないので、戦力が拮抗しますね。一番わかりやすく言うと、デブが走るんすよ。もともと馬格が大きい馬っていうのもひとつの狙い目なんですけど、それ以上に、プラス20キロ、30キロの馬を蹴っちゃだめです。

ナツ:そういう馬、来ますよねー!

TARO:なぜなら、冬は馬体重が増えて当たり前。何ヶ月ぶりのレースでプラス30キロなんて馬は人気ガタ落ちですけど、実際には普通に走れますからね。というか冬の馬はみんな太めなんで。

ナツ:間違いないですね!

 万馬券を取るために必要な最低限の3つのポイントをまとめるとこのようになる。
・荒れるレースを選ぶこと
・レースの構造を知ること
・狙い馬を2歳レースで見つける

 2019年一発目の京都金杯は、今までの馬場傾向の復習をして臨むのが吉のようだ。冬に走る馬のように、財布も肥やしたいものである。

【ナツ氏】
「ナツの競馬予想ブログ」主宰。「とにかく一撃で回収する」をモットーに点数を絞って、ドカン!と張って一撃回収を目指す競馬予想家。夢は一撃で1レース1億回収すること。Youtubeのチャンネル「競馬予想家ナツ」では、ナツ氏のリアルな馬券術を見ることができる。

【TARO氏】
競馬予想ブログとしては屈指の人気を誇る『TAROの競馬』を主宰する気鋭の競馬予想家。最新の著書に『万馬券の教科書—新時代のサバイバル穴予想術—』(ガイドワークス)、『回収率を上げる競馬脳の作り方』『回収率が飛躍的に上がる3つの馬券メソッド』(扶桑社)が発売中。

勝SPA!取材班

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