グリーンセンスセラさんの競馬日記

ファンディーナの心配事 怪傑馬

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ファンディーナの心配事は日米オークス馬シーザリオでさえ陥った「罠」?課せられるのはフラワーC(G3)の「勝ち方」だ─Gambling Journal ギャンブルジャーナル/2017年3月15日 15時0分 http://biz-journal.jp/gj/2017/03/post_2848.html

わずかキャリア2戦ながら、すでに2歳女王ソウルスターリングと双璧を成す存在として認められつつあるファンディーナ(牝3歳、栗東・高野友和厩舎)。世代に突如として現れた"怪物"が、いよいよクラシックを見据えて20日(月)のフラワーC(G3)に登場する。
 9馬身差で圧勝したデビュー戦。そして完全に勝ちパターンに入っていたタガノアスワドを捕らえ、3着以下に8馬身以上の差をつけた2戦目の豪脚はまさに「競馬の常識」を覆すような凄まじさだった。
 そんなファンディーナにとって、今回のフラワーC挑戦もあくまで「通過点」という見方が、各メディアやファンの間でも圧倒的に強い。
 確かに"重箱"の隅を楊枝でほじくれば初の関東遠征、京都以外の競馬場など、いくつかの常識的な超えるべき不安点は存在する。だが、それらの多くは検証して、見識が大きく変わるものではないものがほとんどだ。関東遠征にしても、京都以外の競馬場への適正にしても、結局のところは、ファンはただ上手くいくよう祈るしかない。
 ただ、最大の不安点といわれている「ペース」への対応に関しては検証の余地がある。
 ファンディーナは、いずれも京都芝1800mで行われたデビュー戦の1000m通過が63.4秒、2戦目のつばき賞(500万下)に至っては1000m通過が64.1秒と、非常に遅いペースを勝ち上がってきた。
 つまりファンディーナの「超」高パフォーマンスは、いずれも超スローペースによってもたらされたものだ。

次のページ フラワーC創設以降、このレースを制して桜花賞を連勝した馬

実際に、ファンディーナの父ディープインパクトの産駒が最も良績を残しているカテゴリーが新馬戦であるように、ディープインパクト産駒はスローであればあるほどパフォーマンスを上げる傾向にある。
 ファンディーナもその父の傾向を引き継いでいる可能性は確かに存在し、それが現状の本馬の「最大の懸念材料」であることも間違いないだろう。
 しかし、今回のフラワーCに関して、その問題はそれほど神経質になる必要はなさそうだ。
 過去4年間(5年前は雨で重馬場、6年前は阪神開催)のフラワーCの1000m通過タイムは、昨年から61.5秒、61.7秒、62.1秒、62秒と例年ペースが上がっていない。これはほぼ同時期に同舞台で行われるスプリングS(G2)の1000m通過が過去4年中3年で60秒台前半で推移していることからも、フラワーCがいかに遅いかがわかる。
 無論、それでもファンディーナが過去2戦で経験したペースよりは速くなる可能性が高い。だが、今年の出走予定メンバーにこれといった強力な逃げ馬がおらず、例年よりもペースが上がることは想像し難いのが現状だ。63秒から61秒台後半への推移程度であれば、いずれもスローペースには間違いなく、大きな問題にはならないだろう。
 ただし、ファンディーナが仮にフラワーCを制して次走に桜花賞(G1)を選択した場合、この問題は一気に深刻化する。
 1987年のフラワーC創設以降、このレースを制して桜花賞を連勝したのは、ダンスインザムードとキストゥヘヴンの2頭だけである。
 これだけでファンディーナが厳しいと述べるつもりはないが、キストゥヘヴンはフラワーCで1000m通過が59.3秒という流れを経験しており、ダンスインザムードも重馬場で61.7秒という厳しい流れの他、過去2戦で共に60秒を切るマイル戦を経験していた。


次のページ あのシーザリオも「罠」にかかった?

 これは仮にファンディーナが、61秒後半から62秒程度の「例年通りのフラワーC」を勝って桜花賞に挑んだ場合、大きく足りない経験値となって圧し掛かる。

 顕著たる例は、2005年に日米オークスを制したシーザリオだ。
 シーザリオが勝ったフラワーCは1000m通過が61.9秒というほぼ「例年通りのフラワーC」だった。そして、本馬は現状のファンディーナと同じようにデビューから2戦で61.8秒、61.9秒と緩い流れしか経験していなかったのだ。
 だがその一方、2馬身半差で完勝したフラワーCの内容と負けなしの3連勝が高く評価され、本番の桜花賞を1番人気で迎えている。
 ただ、これまで3戦で4番低下の競馬を一度も経験していなかったシーザリオは、桜花賞で1000m通過が58秒という流れを前に、位置取りを6-10-11と下げた結果、上がり最速で追い込んだものの2着に敗れている。道中では多少の不利があったが、それもペースに戸惑ったことが大きい。
 当時の桜花賞馬ラインクラフトは紛れもない名牝だったが、8枠17番という旧阪神コースのマイル戦では圧倒的に不利な枠順だったことを考慮すれば、4枠7番のシーザリオは勝たなければならない一戦だったといえるだろう。
 そういった点で、現段階のファンディーナはシーザリオの状況と非常に似通った点が多く、フラワーCのペース次第では、同様の轍を踏む可能性が危惧される。
 ちなみに最大のライバル・ソウルスターリングが勝った阪神ジュベナイルフィリーズ(G1)、チューリップ賞(G3)はいずれも1000m通過が58秒台で推移しており、同舞台で行われる桜花賞も、必然的にペースが速くなる可能性が高い。
 したがって、ファンディーナは仮に桜花賞に進むのであれば、今回のフラワーCである程度タイトなペースを経験しておきたい。他馬に流れを作ってもらうことがベストだが、望めない場合は自ら作っても良いだろう。
 当然、レースを勝ちにいくこと大前提として、本番にダメージを残さないことも重要だが、あまり"温いレース"を繰り返すと、本番で思わぬツケを払わされるかもしれない。

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