東西トレセンで取材する記者が、日替わりでGⅠ出走馬の気になる点を関係者に直撃する「俺のチェックポイント」。高松宮記念の初日は、大阪サンスポの片山和広記者がメイケイエールに注目。香港スプリント5着からの上積み材料をチェックした。
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道中をいかにおだやかに運べるか。メイケイエールの好走の鍵は、それに尽きる。
前走の香港スプリントは、そこがうまくいかなかった。スタート後1ハロンくらいからグイグイ前に行き、直線に向くところでは先頭に立とうかという勢い。そのぶん伸びを欠いたが、それでも5着。やはり能力は高い。
吉田助手は「検疫厩舎に入り、それから香港へ。環境の変化がめまぐるしくて、やっと慣れたころにレース。体重を減らしながら(5キロ減)、よく頑張ったと思います」と振り返る。
繊細な牝馬には過酷な戦いだったか。今回は国内の慣れた環境で挑むぶん、上積みは大きいはずだ。
香港では禁止されているため、馬の制御力が大きい折り返し手綱(※)を装着できなかったのも痛かった。一生懸命走りすぎるエールにとって必需品。「これを着けることで、乗り手の気持ちも楽になると思います」と吉田助手。馬をなだめる苦労が軽減すれば、ジョッキーは周りの動きに、より注意を払える。
「後ろから見るとトモのボリュームがすごくなっています。バランスが良くなって、本格化してきた感じ」と、エール自身の成長もある。
昨年の高松宮記念は2番人気で5着だったが、JRA重賞6勝はソダシと並び現役最多。悲願のGI制覇を果たす可能性は十分にありそうだ。
(※)おなか部分の帯からハミを通した手綱のことで、通常のものよりも制御力が強い。馬に安定した姿勢で運動させるために使用する。
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◆「GⅠ・俺のチェックポイント」とは…現場記者が週末のGⅠ出走馬のなかで、自分が気になる馬を独自の焦点をもとに取材。記者は日替わりで、火~金曜付に掲載する。