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春の東京5週連続GIの2戦目は、マイルの女王決定戦・ヴィクトリアマイル(16日、東京、GI、芝1600メートル)。昨年はアーモンドアイが4馬身差で圧勝して格の違いを見せつけた。そして今年も超大物が登場する。
昨年のJRA賞最優秀短距離馬グランアレグリア(美浦・藤沢和雄厩舎、5歳)が、大阪杯4着から巻き返しを図る。一昨年の桜花賞馬で能力の高さは確かだが、本格化した昨年は高松宮記念2着の後、安田記念、スプリンターズS、マイルチャンピオンシップと牡馬混合のGIを3連勝。特に安田記念はアーモンドアイに2馬身半差をつける完勝で、マイルで現役最強を印象づけるものだった。今年は中距離路線も視野に入れて大阪杯に出走し、好位で運んだが伸びきれなかった。距離の壁というよりも「休み明けでこういう馬場(重馬場)は大変だった」とルメール騎手が話したように、馬場状態に持ち味の末脚を封じられてしまった。放牧から帰厩して1週前の追い切りは美浦Wコースで6ハロン81秒1、上がり3ハロン37秒5-12秒9の好反応を見せており、タフな道悪競馬の疲れを感じさせない動きだった。「このコースなら言い訳できない」と藤沢和調教師も自信を持って送り出す。
高松宮記念2着から臨むレシステンシア(栗東・松下武士厩舎、4歳)は、一昨年の阪神ジュベナイルフィリーズをレコード勝ちしているように高速決着に強く、前走は重馬場で持ち味のスピードを生かせなかった。ただ、これまでにない中団に控える競馬で崩れなかったのは収穫。昨年の桜花賞、NHKマイルCともに2着とマイルでは詰めがやや甘くなる点がポイントだが、馬場さえ良ければチャンスは出てくる。
前哨戦のサンケイスポーツ杯阪神牝馬Sを制したのはデゼル(栗東・友道康夫厩舎、4歳)。デビューが3歳3月と遅かったが、未勝利戦とスイートピーSを連勝してオークスに挑んだ(11着)ように、素質は高い。中距離路線を進んでいたが、前走で初めてマイル戦に出走。ペースが遅かったこともあり、中団で流れに乗って切れる末脚を披露した。速い流れを経験していないのは気になるが、実績がある東京なら持ち味を発揮できそうだ。
阪神牝馬Sでクビ差2着だったマジックキャッスル(美浦・国枝栄厩舎、4歳)は、上がり3ハロンの時計が勝ったデゼルを0秒1上回る32秒4。内めの枠で追い出しを待たざるを得なかったのが痛かったが、桜花賞(12着)以来のマイル戦にも対応した。今回は輸送距離の短い東京。広いコースでこそ、この馬の末脚が存分に生かせる。
1勝クラスから一気の4連勝でダービー卿チャレンジTを制したテルツェット(美浦・和田正一郎厩舎、4歳)が上がり馬として魅力的な存在だ。420キロ前後の小柄な馬体で、これまではゆったり間隔をあけて使われてきた。今回の中5週はこの馬としては初めての詰まった間隔での出走。最終追い切りで状態面を確認したい。
不良馬場の中山牝馬Sを勝ったランブリングアレー(栗東・友道康夫厩舎、5歳)は、時計のかかる馬場になったときに台頭。福島牝馬S勝ちのディアンドル(栗東・奥村豊厩舎、5歳)は、2歳から3歳春にかけて5連勝した素質馬。その後はスランプに陥ったが、久々の勝利で勢いを取り戻している可能性もある。
ほかでは2018年の2歳女王ダノンファンタジー(栗東・中内田充正厩舎、
5歳)、近況不振ながら同厩の重賞2勝馬リアアメリア(4歳)あたりも上位争いをしても不思議はない。
★ヴィクトリアMの特別登録馬(想定騎手入り)はこちら 調教タイムも掲載
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