山崎エリカさんの競馬日記

今週の見所(ファルコンSなど)

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2019年 フラワーC、ファルコンS
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●フラワーC

今開催は中山芝1800mで中山記念、中山牝馬Sが行われ、フラワーC、スプリングSと重賞が行われます。前記4レースを総合的にペースが上がりやすい順にあげると、中山記念、中山牝馬S、スプリングS、フラワーCであることは先週の『見所』でお伝えしました。

古馬トップクラスが集う中山記念は、ほとんどの馬が2コーナーの急坂の下り(3.5~4F目)で減速させないため(序盤が極端なスローペースだと、この地点で勢いに乗せる場合もある)、道悪にでもならない限り、向こう上面で大きくペースが緩むことはほどんどありません。それゆえに最初の1コーナーまでの距離が短く、前半で急坂を上るコースながら、前が潰れることもしばしばあります。

しかし、まだ体力のない3歳牝馬同士の戦いとなるフラワーCは、騎手が2コーナーの急坂をゆっくり下ることを意識するので、向こう上面でペースが上がらず、しばしば前残りが発生します。4年前はアルビアーノの逃げ切りが決まり、3年前はエンジェルフェイスの逃げ切りが決まり、昨年は7番人気のドロウアカードが逃げて3着に粘りました。

実際に中山記念に近いラップ構成になったのは、2008年のブラックエンブレムまで遡らないとありません。この年は逃げ馬不在で、1番枠から押し出されるようにして逃げたのは、1番人気馬ブラックエンブレム。本来、逃げ馬ではないブラックエンブレムが逃げたために、前半3Fのペースは過去10年でワーストタイムの37秒1。

前半3F目で13秒0まで緩んだだめに、外枠のスペルバインドが坂の下りで折り合いを欠いて向こう上面で捲る形。ブラックエンブレムはそれに応戦してペースを引き上げたために、中盤が速く、ラスト1Fで12秒3まで失速しました。この失速によって、500万下勝ちの実績もなかった8番人気の追い込み馬レッドアゲートがブラックエンブレムにアタマ差まで迫る結果。

ブラックエンブレムが強かったために何とか逃げ切りましたが、実際は、差し、追い込み型が有利の流れでした。つまり、前半ペースが遅くとも中緩みせずに、差し、追い込みが決まってしまうことがよくあるのがこのコースの恐ろしさであり、面白さでもあります。

さて、今年はどうか? 逃げなければ持ち味が生きないジョディ―が逃げて、内から折り合う競馬もできるコントラチェックが2番手といったところか。外から相手の出方を窺いながらルタンブルやレオンドーロなども先行する形ですが、やはり例年のフラワーCの流れ(前半4F49秒前後)になるのではないでしょうか。あとは、雨の影響がどれくらいあるかですが、先行馬主体に馬券を組み立てたいです。


●ファルコンS

中京競馬場が新装オープンし、ファルコンSが芝1400mで行われるようになって今年で7年目。過去7年の逃げ馬の着順はというと、2012年エクセルシオール・17着、2013年カシノランナウェイ・14着、2014年ネロ・8着、2015年セカンドテーブル・9着、2016年ミスキララ・13着、2017年レジーナフォルテ、2018年モズスーパーフレア・5着とことごとく馬群に沈んでいます。(全て16~18頭立て)

過去7年の前半3F-後半3Fのレースラップは、2012年・34秒8-36秒8、2013年・34秒9-35秒5、2014年・33秒0秒-36秒3、2015年・34秒4-36秒9、2016年33秒3-3F39秒7(極悪馬場)、2017年・34秒0-35秒3、2018年・34秒9-35秒5。中京はビックアーサーが優勝した2016年の高松宮記念より以前は、かなり時計の掛かる馬場状態でしたが、それ以降もハイペース。平均ペースで決着したのは、昨年くらいです。

つまり、ファルコンSは、全体的な傾向として、逃げ、先行型が苦戦の傾向のレース。その一番の理由は、中京芝1400mという舞台が、スタートして約120mほど坂を上って、そこから4コーナー過ぎまで一気に坂を下って行くコースだからでしょう。近年は馬場高速化によって、極端なハイペースではありませんが、ハイペースになりやすい舞台設定であることは確か。

また、この時期の3歳馬は、レース経験を重ねたことで体力もついている時期。この先、スプリント路線に行くのか、マイル路線に行くのかも視野に入れて、逃げ、先行馬が行けるだけ、行かせるようなレースをさせるのも、このレースでハイペースが発生しやすい理由でしょう。

ただし、今年は、過去7年と比べて明らかに逃げ、先行型が手薄。ききょうSを逃げ切り勝ちしたイッツクールは、前走マーガレットSで折り合って2着と結果を出したことで、外枠の今回は逃げない可能性が高いでしょう。実際に陣営も控えるコメントを出しています。そうなると内枠のスタークォーツが逃げる可能性が濃厚。今年は平均ペースの想定で予想を組み立てたいです。


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