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日曜日に行われる函館スプリントステークスの出走馬について、血統的な舞台適性の有無を1頭ずつシンプルに考察していきます。 予想の際にお役立てください。
①セイウンコウセイ
父の産駒は北海道の芝コースで良績を残しており、潜在しているコース適性の高さについては異論のないところ。ただし、ダート指向の強い母父と、内包しているミスプロのクロスが強く反映されているためなのか、本馬はタメの利かないワンペース型に仕上がっている。ゆえに、時計の速い馬場で目標にされると昨年のような案外のケースもある。血の良さを引き出すためには、馬群がバラける展開、あるいは馬場の恩恵がほしい。
②ダイアナヘイロー
ヘイローの3×5を中心にターントゥに絡んだクロスを3本内包している珍しい馬。スピード競馬に良績が集中している要因のひとつだろう。その点を踏まえると、小回り平坦へのコース替わりはプラス材料。ノーザンダンサー系×ヘイルトゥリーズン系の配合に加え、ノーザンダンサーとヘイローのクロスを内包しているところは、昨年の勝ち馬と近似している。血統的な潜在適性だけなら、まったくヒケをとらない。
③ラインスピリット
父スウェプトオーヴァーボードに加え、ノーザンダンサーの5×5のクロスを保有している点は2013年の勝ち馬パドトロワと同じ。ただし、本馬はサンデーサイレンスの血を持っていないため、瞬発力勝負になるとモロい一面がある。その代わり、母父トニービンや母母父のマルゼンスキーの影響が強く、少々厳しい流れでも耐えうる持続力を身に着けている。長所を活かせる持久力勝負になれば、面白い1頭だ。
④ジューヌエコール
父クロフネの産駒は函館スプリントステークスでの好走率が高く、昨年の当レースを制した同馬も例外ではない。半面、一族の活躍馬を検証すると、芝では前向きさを特長とする仕上がり早のタイプが大勢を占める。言い方を変えれば、加齢とともにパンチ力が弱くなるということだ。そのあたりを踏まえると、今回は芝重賞制覇のラストチャンスになるかもしれない。
⑤タマモブリリアン
母父ストームキャット系、母母父プリンスリーギフト系はともに当レースと好相性。近年の活躍馬の多くが備えていたノーザンダンサーのクロスを内包している点も好感が持てる。半面、父のダンスインザダークは中・長距離型で、スピード決着になった場合の不安は残る。上がりを要する流れや馬場など、なんらかの助けがないと、今回は厳しい戦いを強いられるのではないだろうか。
⑥ティーハーフ
半兄のラッキーナインをはじめ、母父や祖母など、母系に短距離G1勝ち馬がズラリと並ぶスプリント一族。本馬も2015年に当レースを制しているようにレース適性は極めて高い。ただし、父ストーミングホームはミスプロ系のなかでも中距離指向が高く、極端なスピード競馬になった場合の危うさはある。血の良さを最大限に活かすためには、適度に時計のかかる決着が望ましい。
⑦ナックビーナス
父ダイワメジャーは2016年の勝ち馬ソルヴェイグを輩出しているように、当舞台の適性は高い。一方、母父は主流からズレたヘイロー系で瞬発力に欠けるところが難点。このあたりが本馬の勝ち味の遅さにつながっているのではないだろうか。勝ちきるためには、血脈の持ち味を活かせる持久力を必要とする競馬になるか、あるいは自身から動いて持続質勝負に持ち込むことが肝要になる。
⑧ワンスインナムーン
父系は当レースと相性が良いミスプロ系。アドマイヤムーン産駒も函館芝1200mで良績を残している。さらに、父ミスプロ系に加え、ミスプロとノーザンダンサーのクロスを内包している点は、2015年の勝ち馬ティーハーフと近似する。本馬はティーハーフとは異なり、スピード色が濃いタイプなので、ある程度の時計勝負なら対応可能。少なくとも血統面における大きな減点材料は見当たらない。
⑨ヒルノデイバロー
父マンハッタンカフェは産駒として2014年の勝ち馬ガルボを輩出しているように、当レースとの相性は決して悪くない。ただし、本馬の場合はリボー系の血脈が濃すぎる(母父と父母父)せいか、どうしてもスピード決着では後塵を拝すケースが多くなる。持ち味を引き出すためには、一定以上の持久力を求められる競馬になるか、あるいは自身から動いて我慢比べに持ち込むことが不可欠となる。
⑩ノットフォーマル
キングマンボ系×マンハッタンカフェという、どちらかと言えば中距離指向の強い組み合わせ。にもかかわらず、本馬の良績がマイル以下に集中しているのは、米国色の強い母系の血筋とサンデーサイレンスの3×3という強いインブリードが反映されているからだろう。いずれにせよ、パワー重点の配合であることは間違いなく、瞬発力比べでは遅れをとりやすい。上位争いに加わるためには、持続質勝負の競馬がベターとなる。
⑪ユキノアイオロス
当レースの好走血脈のひとつであるノーザンダンサーのクロスを持っている点については好感が持てるが、サクラプレジデント産駒の当該コースにおける成績がイマイチ。母母父プリンスリーギフト系のスピード&安定感や、父母父のマルゼンスキーのスピード&パワーなど、長所をすべて活かせる持続質勝負になれば掲示板には、といったところか。
⑫エポワス
母はじめ近親には中・長距離馬が多いが、本馬は父系と母系のスピード面を強く受け継ぎ、持続力に優れた短距離型に仕上がっている。当レースはスピードとパワーを兼ね備えたタイプが幅を利かせやすいゆえに、馬力型のノーザンダンサー3×5という強いクロスは有効。瞬発力勝負になると苦しいが、長所を活かせる持続力を要求される競馬であれば、上位進出のチャンスはある。
⑬キングハート
サンデーサイレンス系×ミスプロ系の配合で、スピードの持続力が持ち味。国内産の短距離血統が幅を利かせるケースが多い当レースの特徴を鑑みると、父および母父に国内短距離G1勝ち馬を持つ本馬も相応の適性を持ち合わせているとみていい。また、馬力型であるセクレタリアト(ナスルーラ系)のクロスを内包しているので、力を要する芝をこなせるだけのパワーも兼ね備えている。バランスのとれた血統構成と言えよう。
⑭アドマイヤゴッド
サンデーサイレンス系×ダンチヒ系の配合は当該コースでマズマズの成績。当レースと相性の良いノーザンダンサーのクロスを内包している点も好感が持てる。ただし、父が中・長距離タイプのハーツクライであるぶん、高速決着になった時の不安は残る。上位に食い込むためには、時計のかかる馬場、あるいは上がりのかかる流れになってほしいところ。
⑮ライトフェアリー
サンデーサイレンス系×ミスプロ系の配合は当レースと好相性。ミスプロとノーザンダンサーのクロスを内包している点も当舞台とマッチする。父サムライハートは芝でこれといった活躍馬を輩出していない半面、洋芝や力を要する芝を苦にしない産駒が多く、本馬も相応の適性を備えているとみていい。極端なスピード決着でなければ、上位食い込みがあっても不思議はない。
⑯ノボバカラ
母父のヴァイスリージェント系、母母父のダンチヒ系は当舞台および当レースと比較的相性が良いスピード&パワーを兼備したノーザンダンサー系。半面、父のアドマイヤオーラは芝の重賞勝ち馬を輩出しておらず、ここに入ると強調材料に欠ける面は否めない。父母の名牝ビワハイジ、勝負強い父母父ニジンスキーの血が騒げば、活路を見出せるかもしれないが……。
ウマニティ重賞攻略チーム
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