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第40回高松宮記念(28日、中京11R、GI、4歳上オープン国際、定量、芝1200メートル、1着本賞金9500万円=出走18頭)春のGIシリーズ第一弾は、1番人気のキンシャサノキセキが直線で早めに先頭に立ち、ビービーガルダンの追撃をハナ差封じてV。重賞4連勝でGI初制覇を飾った。タイム1分8秒6(良)。南半球産のJRA所属馬によるGI勝利は史上初。7歳春に頂点を極めたキンシャサは、今後はスプリント界の王者として競馬界を担っていく。
大器が7歳春にして、悲願のタイトルをつかんだ。キンシャサノキセキが直線で馬場の真ん中から力強く抜け出して、GI初制覇を決めた。
「道中で少し掛かっているぶん、最後は脚が上がった。ゴール板を過ぎてからも半信半疑でしたが、よく凌いでくれた」
前走のオーシャンSからコンビを組み2戦2勝。重責を果たした四位洋文騎手は安堵の表情で勝利の余韻に浸った。
前々走の阪神Cは大きく出遅れ。「ゲートの中では落ち着かせることだけ考えた」という四位に導かれ、課題のゲートを無難にクリア。5~6番手を楽に追走し、3コーナー過ぎから掛かり気味に進出をすると、直線入り口では、目の前にヴィクトリーロードがぽっかりと開いた。そこから早々と先頭に立ち、ビービーガルダンが襲いかかったが、最後の踏ん張りを見せて接戦を制した。
JRAのGI27回目の挑戦で初制覇の堀宣行調教師は「少し抜け出すのが早いと思いましたが、比較的安心して見ていられました。(GI制覇は)素直に嬉しいです」と冷静に喜びを語った。
南半球産馬で9月24日生まれと、日本の同世代の馬たちよりも半年遅い誕生。それでも2歳の暮れから新馬-ジュニアC(オープン)と連勝を決め、3歳春のNHKマイルCでは3着と能力の片りんを見せていた。「以前は気持ちと体のバランスが悪かったが、今はしっかりとバランスがとれて、いい結果になっている」と堀師。将来的にはスプリンターとして大成するとみていた堀師の思いが、結実した勝利だ。
下馬評を覆し、モハメド・アリがジョージ・フォアマンを破ってボクシング世界ヘビー級王者に返り咲いた一戦を、その場所から“キンシャサ(コンゴ民主共和国の首都)の奇跡”という。春のスプリント王に輝いたキンシャサノキセキ。その手につかんだチャンピオンの座を守るための戦いが、今、始まった。(高尾幸司)
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