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【東西現場記者走る】アヴァンセ、侮れぬ血の勢い


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【東西現場記者走る】アヴァンセ、侮れぬ血の勢い

 1週間の密着取材でGIの勝ち馬を探る連載企画『東西現場記者走る』。ヴィクトリアマイルは大阪サンスポの斉藤弘樹記者(38)が担当する。連載2日目は、このレースと好相性のサンスポ杯阪神牝馬S組に注目した。2着だったレッドアヴァンセは、血統的に勢いがあり調整過程も万全。勝ち馬ミスパンテールの陣営も、GI奪取に意欲満々だ。

 月曜夜は記者仲間とステーキでパワーをつけて、週末まで乗り切れるスタミナを蓄えた。前日の大雨もあがり、心地良い朝を迎えた2日目のターゲットは、サンケイスポーツ杯阪神牝馬Sの上位2頭だ。

 血統的に魅力たっぷりなのが2着馬レッドアヴァンセ。兄4頭は短距離を中心に活躍した重賞ウイナーで、先週は半弟のレッドヴェイロン(父キングカメハメハ)がNHKマイルCで9番人気で3着に好走した。さらに、全妹レッドオルガも6日にこの舞台で行われた湘南S(1600万下)を快勝。左回りのマイル戦は4戦全勝となった。この条件がベストの一族だ。

 自身も秋華賞以来1年半ぶりの重賞挑戦となった前走で2着と、最も血の勢いを感じる。直撃した生野助手からも、力強い言葉が返ってきた。

 「前走が今までで一番いいくらいでしたが、今回はもうひとつ良くなった感じですね」

 3歳時は、馬体細化を考慮しながらの調整。能力を発揮できずに終わったが、経験を重ねるにつれて、食べたものが実になり馬体重が安定してきた。「かわいがったら走らない」と音無調教師は好走パターンもつかんでおり、加減することのない攻めの調教が好成績につながっている。世話役の橋本真助手も「440キロ台くらいが一番動きやすい。同じ数字でもしっかりやってのもの」と中身の違いを強調。1週前追い切りでは坂路で4ハロン51秒4をマークし、時計面からも充実ぶりがうかがえる。本番での逆転も十分にありそうだ。

 もちろん、前哨戦の勝ち馬ミスパンテールも見逃せない。自在性のあるレース運びで4連勝中。「どんな形でも結果を出しているのは潜在能力の高さ」と昆調教師の口ぶりには自信がみなぎる。オークス(10着)以来2度目となる東京コースにも、「調教では左回りの方が行きっぷりがいいし、好きかもしれない」と前向きだ。

 ともに前走以上の好気配。本命候補がどんどん浮上してきた。 (斉藤弘樹)

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