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第62回阪急杯(25日、阪神11R、GIII、4歳上オープン国際(指)、別定、芝・内1400メートル、1着本賞金4100万円、1着馬に高松宮記念の優先出走権 =出走18頭)武豊騎乗で7番人気のダイアナヘイローがレース序盤に先頭に立ってそのまま押し切り、2度目の重賞V。高松宮記念(3月25日、中京、GI、芝1200メートル)の優先出走権を獲得した。タイム1分20秒1(良)。28日に定年を迎える福島信晴調教師(70)=栗東=は、最終週に重賞Vを含む3勝を挙げた。同馬は今後、大根田裕之厩舎に転厩する。クビ差2着が1番人気のモズアスコット。
「頑張れ!!」。スタンドで身を乗り出す福島師の思いに応えるように、ダイアナヘイローが内ラチ沿いで粘り込む。外からは人気の2頭が急襲。際どい勝負になったが、クビ差、しのいでゴールを駆け抜けた。定年引退を控えたラストウイークでの重賞V。70歳の師の頬に熱いものが伝った。
「最後の重賞で勝たせていただいて、みんなにも喜んでもらえてよかった…。本当に感謝している」
検量室前で涙をぬぐうと、戻ってきた武豊騎手の手をギュッと握りしめた。関係者も続々と詰めかけて祝福。ラストウイークに3勝の活躍とあって、ファンからも大きな声援が降り注いだ。
「先生にはお世話になっているので、いいレースができてよかった。競馬にはこういう(ドラマチックな)こともあるんだな…と。競馬に携われて幸せですね」
多くのドラマを演出してきた武豊騎手も、誇らしげだ。抜群のスタートを切り、スローペースとみるや途中から先頭へ。冷静な判断で粘り腰を引き出した。「最後は一杯一杯でしたけど、何とか勝ってくれと思って。競馬の神様にお願いしました」と笑みを浮かべた。
今後は大根田厩舎への転厩が決まっているダイアナヘイロー。「馬は若いし、GIIIと言わずにGII、GIに行っていい競馬をしてほしい」と福島師は愛馬にエールを送った。これ以上ない劇的なフィナーレを演出した人馬が、新たなスタートを切る。 (長田良三)
★25日阪神11R「阪急杯」の着順&払戻金はこちら
ダイアナヘイロー 父キングヘイロー、母ヤマカツセイレーン、母の父グラスワンダー。黒鹿毛の牝5歳。栗東・福島信晴厩舎所属。北海道浦河町・大西ファームの生産馬。馬主は(株)駒秀。戦績19戦7勝。獲得賞金1億7798万5000円。重賞は2017年GIII北九州記念に次いで2勝目。阪急杯は福島信晴調教師は初勝利。武豊騎手は1989年ホリノライデンに次いで2勝目。馬名は「曲名+父名の一部」。
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