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【中京記念】ブラックムーン、尾張で始まる成り上がりストーリー
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夏の中京競馬最終週のメインレースは、サマーマイルシリーズ第1戦の中京記念。微妙なハンデの差もあって混戦模様だが、注目は、前走の米子Sをコースレコードで制したブラックムーンだ。休養で心身が充実し、持ち前の末脚に磨きがかかって本格化。4度目の重賞挑戦で、待望の初タイトルをつかみ取る。
夏を迎え、タイトル奪取への思いが、さらに熱くなる。前走でコースレコードVのブラックムーンが、4度目の重賞チャレンジ。西浦調教師の言葉に力が入る。
「前走は強い勝ち方だったね。しっかりと走れるようになって、完成度が上がってきている。ここでどれだけやれるのか。楽しみだね」
前走の米子Sは、覚醒を予感させる一戦だった。緩い流れで4コーナーでは最後方追走も、上がり3ハロン32秒4の豪脚で鮮やかな大外一気。1分31秒9のコースレコードをたたき出し、本格化ムードだ。
思い切った春シーズンの休養が功を奏した。年明けの京都金杯9着、続く東京新聞杯も8着に敗退。トレーナーは「京都金杯は、自分の競馬ができなかった。その影響もあって、東京新聞杯では戸惑って走っていた」と振り返る。精神面のダメージをリセットするために休養入り。その効果で、体質面も強化されて戻ってきたのだ。
指揮官は「以前はトモが甘くて、走りがぶれる面があった。今はそういう面が解消して、真っすぐ走れるようになったね」と目を細める。12日の1週前追いでは、6ハロン78秒5とCWコースの一番時計をマーク。充実ぶりが際立っている。
西浦調教師は「サマーマイルシリーズを戦って、秋もマイル路線で暮れの香港(国際競走)も視野に入れている。よくなってきたときに最高の結果を得られるように、うまくチャンスを作ってあげたい」と意気込む。
今回のメンバー相手にハンデ57キロは楽ではないが、世界を見据える以上、乗り越えなければならない。ブラックムーンが、まずは自慢の末脚で初の重賞タイトルを手に入れる。 (川端亮平)
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