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【オークス】レース展望

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【オークス】レース展望

 春のGIシリーズはいよいよ佳境を迎え、今週日曜は東京競馬場で牝馬クラシック第2弾のオークス(24日、GI、芝2400メートル)が行われる。3歳牝馬の頂上決戦だが、ほとんどの馬が未知の距離。波乱の要素も十分にある。

 最大の注目はルージュバック(美浦・大竹正博厩舎)。牡馬を相手に無傷の3連勝を飾った後に臨んだ桜花賞で単勝1.6倍と圧倒的な1番人気に支持されたが、極端なスローペースの影響もあり、後方で見せ場もつくれないまま9着に終わった。その後は放牧を挟んで12日に美浦トレセンに帰厩。本番まで間がないが、16日の1週前追い切りではWコースに入り、6ハロン81秒4-12秒6を馬なりで抜群の動きを披露した。巻き返しへ態勢は整いつつある。大敗後で半信半疑の部分も残っているだけに、追い切りの動きや当日の気配を見きわめる必要がありそうだ。

 桜花賞を逃げ切ったレッツゴードンキ(栗東・梅田智之厩舎)は、軽め中心ながら、すでに6本の追い切りを消化。順調そのものだ。桜花賞はマイペースの逃げで展開が味方したのは確かだが、流れに応じて自在なレースができる強みを生かした形でもある。母が短距離馬で、陣営もNHKマイルC参戦を模索した時期があったように距離については疑問も残るが、それはほとんどの馬にいえること。長くいい脚を使えるだけに2400メートルも問題ないと考えていいだろう。2冠達成の可能性は十分にある。

 桜花賞2着のクルミナル(栗東・須貝尚介厩舎)は、重馬場のチューリップ賞で惨敗したが、良馬場の前走できっちりと巻き返してきた。今回も馬場は鍵になるが、決め手の鋭さは一級品。母はアルゼンチンの中距離GIを制しており、距離の不安も少ない。

 桜花賞3着のコンテッサトゥーレ(栗東・安田隆行厩舎)は、母系がスピード優位で2400メートルの距離にはやや不安が残る。それでも折り合いに苦労するタイプではなく、クリストフ・ルメール騎手がうまくエスコートすれば、昨年のヌーヴォレコルトに続く桜花賞3着馬の逆転もあるだろう。

 桜花賞4着クイーンズリング(栗東・吉村圭司厩舎)は、1400メートルのフィリーズレビューで見せた切れ味が印象的だが、新馬戦は1800メートル戦で完勝している。マンハッタンカフェ産駒の3歳牝馬は豊作で、その一翼を担うこの馬も血統的には距離が延びても問題ない。ミルコ・デムーロ騎手は1番人気が有力視されるダービー(ドゥラメンテ)も控えているだけに、オークス&ダービー制覇という期待もかかる。

 桜花賞では2番人気に推されながら10着に敗れたココロノアイ(美浦・尾関知人厩舎)だが、陣営は早くからスタミナ勝負に自信を見せていた。前走は流れが不向きだったもので悲観する材料ではなく、2戦2勝の左回りで巻き返しがあってもいい。鞍上の横山典弘騎手は、勝てば天皇賞・春、NHKマイルCに続いてGIの騎乗機会3連勝という偉業になる。

 桜花賞7着で、4戦目にして初めて土がついたキャットコイン(美浦・二ノ宮敬宇厩舎)もスローペースの影響を受けた一頭。クイーンCで東京コースの重賞を勝っている点は強調材料になる。馬体はギリギリの印象だが、気持ちで走るタイプが多いステイゴールド産駒だけに、よほど減っていない限り力は出せるはずだ。

 今年は別路線組も魅力たっぷり。君子蘭賞(500万下)→GIIサンケイスポーツ賞フローラSと連勝中のシングウィズジョイ(栗東・友道康夫厩舎)は、有力馬の中でも距離に自信を持てる血統背景の持ち主。前出のルージュバッククイーンズリングと同じマンハッタンカフェ産駒で、2010年サンテミリオン以来のトライアル→本番制覇を狙う。

 クイーンC2着馬で、オープン特別の忘れな草賞を快勝したのがミッキークイーン(栗東・池江泰寿厩舎)。桜花賞では無念の抽選除外となったが、そのうっぷんを晴らした形だ。全成績【2・2・0・0】と底を見せておらず、セレクトセールで1億500万円(税込み)の値が付いた素質馬だけに、ここでも目が離せない。デビューからコンビを組み続ける浜中俊騎手も「もともと距離が延びてこそと思っていた」と自信を漂わせている。あとは、長距離輸送で20キロの馬体減があったクイーンCを踏まえての対策で、馬体を維持できるかどうかが鍵だ。

 ほかにも、桜花賞でメンバー最速の上がりをマークした切れ者アンドリエッテ(栗東・牧田和弥厩舎)、自在性と安定感があるディアマイダーリン(美浦・菊沢隆徳厩舎)、1勝馬ながら強敵と五分の戦いを演じてきた実績のあるマキシマムドパリ(栗東・松元茂樹厩舎)なども軽視は禁物。3歳牝馬の頂上決戦は、大いに見応えある戦いとなりそうだ。

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