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第10回ヴィクトリアマイル(17日、東京11R、GI、4歳上牝馬オープン国際(指)、定量、芝1600メートル、1着本賞金9000万円 =出走18頭)5番人気で戸崎圭太騎乗のストレイトガールが、直線で力強く伸びて1分31秒9(良)のレースレコードタイでV。GI6度目の挑戦で、初制覇を飾った。6歳牝馬のJRA・GI勝利は1989年ジャパンC(ホーリックス=ニュージーランド)以来で、日本馬としては史上初の快挙だ。12番人気のケイアイエレガントが2着、最低18番人気のミナレットが3着に粘り、3連単(5)(7)(18)の払戻金はGI史上1位、全競走でもJRA史上2位の配当となる2070万5810円の大波乱となった。単勝1番人気のヌーヴォレコルトは、6着に敗れた。
歓声がどよめきに変わったラスト200メートル。逃げ馬と2番手、ともに2桁人気の馬で決着してしまうのか。誰もがそう思った瞬間、ストレイトガールが一気に伸びてきた。粘り込みを図るケイアイエレガントをゴール寸前でかわし、悲願のGI初Vを成し遂げた。
「『情けない競馬ばかりしているな』というのが自分でもあった。結果が出せず、反省ばかり。特に変わったことはしていないけど、目の前のレースをしっかり乗ることだけ考えていた。本当によかったです」
戸崎騎手は、吹っ切れたような笑顔をみせた。今春のGIでは桜花賞でルージュバック、NHKマイルCでグランシルクと1番人気に騎乗して敗退。悔しい思いをしていただけに、検量室前に戻ってくると思わず両手でガッツポーズが出た。
最低18番人気のミナレットが速いペースで後続を7、8馬身離して逃げる展開。2番手のケイアイエレガントを視野に入れて好位を進んだ。馬場状態を考慮して、作戦は藤原英調教師と「枠なりの進路で」で一致。直線も内や外へ進路を切り替えることなく、馬場の真ん中でスパートした。「手応えは十分。人気馬が後ろにいたけど『どんなタイミングで追い出そうか』と考える余裕もあった。本当にいい切れ味でした。最後は馬に助けられました」と初コンビだった相棒をたたえた。
これまでGIは国内外で(3)(3)(2)(3)(13)着。ついにつかんだビッグタイトルに藤原英調教師も「恐らく今年が最後の年になるからね。本当に待ち焦がれたGI。長かったね」と満面の笑み。前走の高松宮記念は馬場や枠順の影響があったにせよ、13着と大敗。最終追い切りを坂路からCWコースに戻すなど、巻き返しに向けて手を打った。「最後の坂で普通なら脚いろが鈍るけど、もうひと伸び。こちらの想像を超えた走りで恐れ入りました」と6歳牝馬の奮闘に脱帽の口ぶりだった。
今後は未定も「香港に行きたいとオーナーと相談している」と指揮官。昨年3着に敗れた香港スプリントに再挑戦する可能性を示唆した。勲章を手にしたストレイトガールが、ラストシーズンをさらに充実したものにする。 (渡部陽之助)
★17日東京11R「ヴィクトリアマイル」の着順&払戻金はこちら
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