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【東西現場記者走る】サトノダイヤモンド万全


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【東西現場記者走る】サトノダイヤモンド万全

 1週間の密着取材で勝ち馬を探し出すGI企画。天皇賞・春を担当する東京サンスポの千葉智春記者(32)は連載3日目、2強の一角となるサトノダイヤモンドに注目した。最終追い切りを終えたルメール騎手、池江調教師を直撃し、状態面や4歳を迎えての成長ぶり、京都芝3200メートル克服への手応えを探った。

 水曜朝の調教スタンドは、いつにも増して熱気を帯びていた。午前6時の開門直後に、キタサンブラックなど有力馬が追い切っていく。その中でも、サトノダイヤモンドに熱視線を送った。

 キタサンブラック有馬記念でクビ差破っているが、斤量57キロの相手に55キロ。同じ58キロの今回は4歳を迎えてのパワーアップがなければ厳しい。成長度、仕上がり具合を確認したかった。

 ルメール騎手を背に、CWコースでプロフェット(OP)を3~4馬身追いかけ、徐々にピッチを上げる。直線で内に取り付くと、残り100メートルあたりで軽く促されてグイッと併入。馬なりで4ハロン53秒3、3ハロン39秒0-12秒3と控えめだが、脚さばきは軽快だ。

 スタンド1階に行くと、武豊騎手を発見。同様に完璧な追い切りを終えたキタサンブラックを見届け、明るい表情だ。そこへルメール騎手が現れると、がっちり握手。「いつものあいさつだよ。仲良しだから」とルメール騎手は笑ったが、世紀の対決を前に熱がこもっているようにも見えた。相棒の走りにも「リラックスしていた。跳びもスムーズで、柔らかい」と好感触だ。

 池江調教師も「前走は休み明けにしては思いのほか仕上がっていた。大きな上積みはないけど、あるにはある。青写真通り」と調整過程に自信。「まだ緩さはあるけど、腰に芯が通ってきた」と成長も感じている。

 当連載を担当した菊花賞で、トレーナーは「ベストの距離ではない」と言っていた。菊花賞阪神大賞典を制して、長距離へ自信は深まったか確認したかったが、今回も「3000メートルはこなしたけど、得意ではない」と口にする。ただ、菊花賞は長距離仕様の調教でクリア。その後も有馬記念から今回まで、長距離で勝つための調整を続けている。見据える先に凱旋門賞があるからだ。

 「大きなハードルを越えてこそ、スタッフもダイヤモンドも成長する」と池江調教師。菊花賞では距離不安で評価を下げたが、課題に向き合い、克服する厩舎力があるのは半年前に学んだ。仕上がりに関しては万全。そう思わずにいられない。

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