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【東西現場記者走る】アンビ“連覇”へ照準ピタリ


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【東西現場記者走る】アンビ“連覇”へ照準ピタリ

 1週間の密着取材で勝ち馬を探し出すGI企画。大阪杯を担当する東京サンスポの藤沢三毅記者(31)は連載3日目、GI初制覇を狙うアンビシャスに注目した。最終追い切りは栗東坂路で力強い動きを披露し、好仕上がりをアピール。GIIとして行われた昨年はキタサンブラックなどを撃破して優勝しており、陣営は平常心で連覇を狙っている。

 昼間は過ごしやすい気候だが、栗東の朝はまだ寒い。しかし、気温3度の中で坂路を駆け上がったアンビシャスには熱がこもっていた。アードラー(3歳500万下)を追いかけて序盤から飛ばし、4ハロン51秒6-12秒8で併入。最後まで力強く脚を伸ばした。

 追い切り日にこの馬を選んだのは、1週前追い切りでミッキーロケットに4馬身遅れたことが気になっていたから。だが不安は払拭された。「きょうは攻めた。いい動きだったよ。ロケットは先週が本番。アンビシャスはきょうが本番だから」と音無調教師がなめらかな口調で解説するように、中6週の相手は1週前の時点で仕上がっていたのに対し、中4週のアンビシャスは当週にぴたりとピークを持ってきたというわけだ。

 前日に取り上げたヤマカツエースが距離のスペシャリストなら、アンビシャスはコース適性で優位に立てる。メンバー中で唯一、阪神で重賞を勝っており、それが昨年の大阪杯キタサンブラックをはじめGI馬5頭を撃破する金星を挙げた。能力がGI級であることは疑いようがない。

 担当の蛭田助手は「1回使って状態は良くなっています」と笑顔。秋に毎日王冠、天皇賞と2戦し、年が明けて中山記念から臨むローテーションは前年と全く同じで、順調なら申し分ない。

 レースでは折り合いが難しいというイメージがあるが、普段はそんな気難しさを全く感じさせない。「以前はやんちゃな面がありましたが、古馬になってからは馬房でもおとなしいですよ」という通り、最終追い切り直後でも馬房では静かにたたずんでいた。雰囲気はかなりいい。

 「この馬はパーフェクト。何も言うことはありません」。蛭田助手は強く何度も話した。「強いて言えば最近は落ち着きが出ましたが、良くも悪くも変わっていません。レースが分かっているので、体も自分でつくってきますから。僕はやれることをやるだけ」と絶大な信頼を寄せている。

 GIIながらGI並みの好メンバーをねじ伏せた昨年の覇者は、今年も仕上がり良好。同一重賞連覇がGI初制覇というおもしろい快挙が見られるような気がしてきた。 (藤沢三毅)

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