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【高松宮記念】レース展望


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【高松宮記念】レース展望

 日曜は中京競馬場で春のGI第2弾、高松宮記念(26日、芝1200メートル)が行われる。2016年の最優秀短距離馬ミッキーアイルが現役を引退し、昨年の覇者ビッグアーサーが脚部不安のため不在。また、シルクロードSを連覇したダンスディレクターも、同じく脚部不安により今年も参戦を断念している。しかし、前哨戦で次々と新興勢力が名乗りを上げており、春の電撃王決定戦にふさわしいメンバーが顔をそろえた。土曜の夜には、アラブ首長国連邦ドバイのメイダン競馬場で、日本馬11頭が出走する「ドバイワールドカップデー」が行われるが、国内のGIも、ドバイに負けず劣らずの熱戦となることは必至だろう。

 昨秋のスプリンターズSでGI初勝利を飾ったレッドファルクス(美浦・尾関知人厩舎、牡6歳)が、史上7頭目のスプリントGIダブル制覇に挑む。中京芝では1200メートルの2戦を含む3戦全勝。昨年12月の香港スプリントは12着に敗れているが、休養を挟んでここを目標にしっかりと立て直されており、3カ月半ぶりでも力を発揮できる仕上がりにある。

 スプリンターズSでも抜群の切れ味を見せていたが、昨年7月のCBC賞では、直線大外から目の覚めるような差し切り勝ち。上がり3ハロン32秒7は、馬場が改修された2012年以降の芝で最速で、直線の長い中京ではさらに一段上の末脚を使えることを証明済みだ。それでいて、ダートでオープン特別の欅Sを含む4勝をマークしているように、パワーも兼備しているのが、この馬の強み。昨年は1分6秒7のレコード決着だったが、例年、最終週の中京は力を要するタフな馬場になる傾向が強い。そして何より、今年最初のGIフェブラリーSをゴールドドリームで勝ち、6週連続日曜メインVを達成するなど、今年も乗りに乗っているミルコ・デムーロ騎手の手綱。巻き返しへの要素は、そろいにそろっている。GI・2勝目を挙げ、短距離界の歴史にその名を刻む。

 メラグラーナ(栗東・池添学厩舎、牝5歳)は、勢いに乗ってのGI初参戦となる。前走の夕刊フジ賞オーシャンSは、中団から上がり3ハロン33秒9の末脚を繰り出して重賞初勝利。芝のスプリント戦に転じた昨年7月以降は、【4・1・0・1】の快進撃だ。重賞初挑戦の京阪杯こそ、デビュー以来最高馬体重となる532キロと重馬場が響いて14着に大敗したが、すぐに巻き返してオープン特別→重賞を連勝。5歳とはいえ、季節が反対の豪州生まれのため、実質的には4歳秋で、まだ十分に強くなりそうだ。良馬場での追い比べなら、初の大舞台でも見劣りはしないはず。10、11年(阪神開催)に連覇したキンシャサノキセキ以来、史上2頭目となるJRA所属の南半球産馬としてのGI勝利を狙う。

 前走の京都牝馬Sで一昨年の桜花賞以来1年10カ月ぶりの勝利を飾ったレッツゴードンキ(栗東・梅田智之厩舎、牝5歳)も侮れない。逃げ切りで桜の女王に輝いたときとは打って変わり、中団から末脚を生かすレーススタイルにモデルチェンジ。昨秋のスプリンターズSでは9着に敗れているが、最内から追い込んで、進路が窮屈になるところがありながらも、勝ったレッドファルクスとは0秒2差。メンバー最速の上がり3ハロン32秒9の末脚は目を見張るものだった。3走前のダート交流GI・JBCレディスクラシックで2着に入っているように、この馬もレッドファルクス同様、パワーを兼ね備えている。最終週のタフな馬場も歓迎とみていい。これまでスプリント戦は4戦して2度の3着が最高だが、そろそろこの距離のペースにも慣れてきた頃。ここで、桜花賞以来となるGI・2勝目を挙げ、完全復活をアピールする。

 ソルヴェイグ(栗東・鮫島一歩厩舎、牝4歳)は、昨年の函館スプリントSを1分7秒8のコースレコードでV。スプリンターズSは好位からレースを進め、レッドファルクスからアタマ+クビ差で、タイム差なしの3着に踏ん張った。53キロの軽量が味方したのは事実だが、改めてスプリンターとしての高い能力を誇示。前走のシルクロードSは初めてハナを切って、勝ち馬から0秒5差の6着だったが、慣れない戦法で後続からつつかれたことや、4カ月の休み明けだったことを考えれば、前哨戦としては上々の結果といえる。叩き2戦目の上積みと4歳春を迎えての成長力、そして、GIで大胆な騎乗を見せる田辺裕信騎手との2度目のコンビ。昨秋の無念を晴らし、GI初制覇を達成しても不思議はない。

 シュウジ(栗東・須貝尚介厩舎、牡4歳)は昨年のスプリンターズSで0秒1差の4着。続く阪神Cでは皐月賞イスラボニータを撃破し、重賞2勝目をマークしている。8着に終わった前走の阪急杯は2カ月ぶりの実戦でイレ込みがきつく、レースでは外からプレッシャーをかけられ、走りに力む面があったもの。この一戦だけで評価を下げるのは早計だ。父は前出のキンシャサノキセキで、自身も中京では新馬戦→オープン特別・中京2歳Sを勝っており、コース替わりは間違いなくプラスに出る。GI級の潜在能力を存分に発揮できれば、戴冠は夢ではない。

 トーキングドラム(美浦・斎藤誠厩舎、牡7歳)は、重賞初挑戦だった前走の阪急杯を勝利。これまではもまれると力を発揮できなかったが、中団のインで我慢が利き、直線は最内の窮屈なところを一瞬の脚で突き抜けた。ボーンシスト(骨の発育不良による骨病変)で、3歳春から2年近く休養を余儀なくされており、年齢よりも若々しさがある。年明けは1600万下に在籍していたが、わずか3カ月でGI参戦を果たす充実ぶり。大仕事をやってのける可能性はある。

 フィエロ(栗東・藤原英昭厩舎、牡8歳)はデビュー25戦目で、この距離に初チャレンジ。重賞は未勝利だが、これまでGIで2着2回、3着1回と好勝負を演じた実績があり、軽くは扱えない存在だ。昨年の安田記念3着のときにコンビを組んだ内田博幸騎手の手綱で、これまでの鬱憤を一気に晴らすことができるか注目したい。

 夕刊フジ賞オーシャンSメラグラーナから半馬身差の2着に好走したナックビーナス(美浦・杉浦宏昭厩舎、牝4歳)、同レース3着のクリスマス(美浦・伊藤大士厩舎、牝6歳)も上位争いが可能だ。

 シルクロードSでクビ差2着のセイウンコウセイ(美浦・上原博之厩舎、牡4歳)、京都牝馬S2着で、芝1200メートル戦は2戦2勝のワンスインナムーン(美浦・斎藤誠厩舎、牝4歳)、昨夏の北九州記念の勝ち馬で、末脚の破壊力が自慢のバクシンテイオー(美浦・堀宣行厩舎、牡8歳)もマークは必要。末脚鋭いヒルノデイバロー(栗東・昆貢厩舎、牡6歳)、2014年の2着馬で、同年のスプリンターズSを勝っているスノードラゴン(美浦・高木登厩舎、牡9歳)も勝ち負けに加わって不思議はない。まさに多士済々。見応えあふれる6ハロンの攻防が繰り広げられそうだ。

高松宮記念の特別登録馬(想定騎手入り)はこちら 調教タイムも掲載

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