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【天皇賞・秋】夕刊フジ・調教チェッカーズ


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【天皇賞・秋】夕刊フジ・調教チェッカーズ

 女王ジェンティルドンナが29日朝、「第150回天皇賞・秋」(11月2日、東京、GI、芝2000メートル)での復権へ向け、栗東トレーニングセンター(滋賀県)の坂路で文句なしの動きを見せた。4戦3勝とベストの東京で、秋初戦という甘えもない。史上5頭目のJRA・GI7勝目へ、調教チェッカーズも迷わずA評価をつける本気の仕上がりだ。

 集大成の秋へ、ジェンティルドンナがパーフェクトな仕上がりを披露した。

 午前6時の調教開始時の気温が9度と冷え込んだ栗東。開門直後の坂路はラッシュアワーさながらの混雑ぶりだったが、紫のメンコ(覆面)をまとった女王は喧噪に惑わされることもなく、悠然と姿を現した。

 スタートの1Fを14秒1でゆったり入ると、前を行く併せ馬を目標に徐々にペースアップ。鞍上からGOサインが出たラスト1Fは、単走ながら力強く脚を伸ばして12秒5をマークした。1週前追いでは舌をペロペロと出すような仕草もみられたが、けさはゴールまでまっしぐら。大一番に向けて、闘争心がMAXまで高まってきた印象だ。

 「ここまでずっと順調に時計を出してきたが、いい意味でこれまでとは違う。競馬が近いと分かって気合が乗ってきた」と、見届けた石坂正調教師は目を細めた。

 先々週、先週と跨った新パートナーの戸崎圭太騎手も「もっとうるさいのかと思ったが、スイッチの入れどころを自分で知っている。精神面での強さを感じる」と高く評価しているように、いよいよ心身とも真に完成されてきた。

 前走・宝塚記念は9着に敗れたが、梅雨時の荒れた馬場に加え、状態も万全ではなかった。中間に2週間ほど時計を出さない期間があり、レース当週の木曜に482キロあった馬体が、レース当日は468キロまでしぼんでいた。昨年の宝塚記念も3着だったように、蒸し暑さが少なからず影響を与えていたのだろう。

 それに比べ、今秋は順調そのもの。「放牧でリフレッシュして走れる体で帰ってきた」(石坂調教師)と、23日の段階で馬体重は494キロまで回復。ラスト1F12秒台の追い切りもけさが5本目と、昨秋の天皇賞参戦時に比べて1本多い。これなら万全だ。

 東京はジャパンC連覇など4戦4連対。1回の2着はジャスタウェイが勝った昨秋の天皇賞だけに、今思えば仕方のない面もあるか。「結果が出ているのは心強い。7冠目というよりも、今度の天皇賞を何とか獲りたい。昨年2着の悔しい思いを晴らしたい」と、指揮官はリベンジへの意欲をむき出しにした。

 ジャパンC(11月30日、東京、GI、芝2400メートル)での3連覇が最大目標とはいえ、世界も制した女王なら勝つことが命題。年内いっぱいでの引退が決まっているなら、なおさら“本気”だ。完璧に仕上がった女王は堂々、勝ちにいく。(夕刊フジ)

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