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第57回きさらぎ賞(5日、京都11R、GIII、3歳オープン国際(特指)、別定、芝・外1800メートル、1着本賞金3800万円 =出走8頭)松若風馬騎乗で、好位から早めに進出した6番人気の伏兵アメリカズカップが、直線で力強く抜け出して快勝。重賞初勝利を飾った。音無秀孝調教師は、自身2度目の同日JRA重賞V。タイム1分50秒1(重)。単勝1・4倍の圧倒的1番人気に支持されたサトノアーサーは、1馬身3/4差の2着に敗れ、デビュー3戦目で初黒星を喫した。
6番人気の伏兵とは思えない横綱相撲だった。雨が止んだ淀のターフで、アメリカズカップが堂々と突き抜け、有力馬を完封。松若騎手の笑顔がはじけた。
「前回(朝日杯FS9着)は出遅れましたが、今回はうまく流れに乗れました。馬場が馬場なので、早めに仕掛ける形に。最後までノメらずに走ってくれました」
道中は3番手で力を温存。重馬場を考慮し、鞍上は3コーナーあたりから相棒に頑張りをうながす。仕掛けながら直線に向くと、しぶとく脚を伸ばす長所を発揮。前を行くプラチナヴォイスを早々とかわして先頭に立つと、断然人気のサトノアーサーを寄せ付けなかった。デビュー4年目の21歳は馬場状態を考慮しつつ、パートナーの持ち味を存分に引き出す好騎乗。「今後が楽しみな馬です」と目を細めた。
音無調教師は12キロ減の馬体重に「きょうは走らないかと思った」と胸の内を明かし、「結果的には(馬体減は)良かったのかな」と続けた。10分後の東京新聞杯もブラックスピネルで制し、同日の東西重賞を制覇。2009年10月11日(毎日王冠カンパニー、京都大賞典オウケンブルースリ)以来、自身2度目の快挙を成し遂げ、「こんなこともあるんだね」と満足げにうなずいた。
今後は馬体回復を優先し、短期放牧を挟んで皐月賞(4月16日、中山、GI、芝2000メートル)に直行する見込み。「まずは減った体を戻さないと」とトレーナーは気を引き締め、松若騎手も「これからさらにパワーアップしてくれると思うので」と期待をかける。
昨年はサトノダイヤモンドが制したクラシックの登竜門を勝ち、重賞初Vとなった谷掛龍夫オーナーは「ダービー(5月28日、東京、GI、芝2400メートル)が目標です。松若騎手には最初から乗ってもらっていますし、このままダービーへ」と明言。“競馬の祭典”に今から胸を躍らせている。 (宇恵英志)
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