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BHA(英国競馬統括機構)は7月17日に5頭の競走馬から禁止薬物モルヒネの陽性反応が検出されたと報告。5頭はそれぞれ異なる調教師の管理馬だった。モルヒネの陽性反応を示した競走馬は22日の段階で15頭まで拡大。その後の調査で大手飼料会社のドッドソン&ホレール社が供給した飼料の一部が汚染されていた疑いが強まっている。
陽性反応が出た馬の実名についてBHAは公表を控えていたが、22日、6月19日のGI・ゴールドCで2着となったエスティメイト(牝5、父モンズン、英国・エリザベス女王の所有馬)がモルヒネの陽性反応を示したことを、バッキンガム宮殿が公表。エリザベス女王の競馬顧問は「原因は汚染された飼料製品を使ったこと。マイケル・スタウト調教師は飼料会社と緊密に連携して、調査に全面的に協力しています。BHAの調査結果が発表されるまでそれ以上のコメントはありません」と声明を出した。
エスティメイトは毎年6月に行われる英国王室主催のロイヤルアスコット開催のゴールドカップ(GI、芝20ハロン)の2013年の優勝馬(2014年はクビ差の2着)。200年以上の歴史を持つこのレースを英国君主の所有馬が制するのはこれが初めて。ディープインパクトの曾祖母として知られるハイクレア(1000ギニー、仏オークス優勝)など、多くのGI馬の馬主として知られるエリザベス女王にとっても、ロイヤルアスコットのGI勝利はエスティメイトでのゴールドカップが初めてだった。現在の英国競馬の規則上は、2013年のゴールドカップの優勝を取り消されることはないが、今年のゴールドカップの2着は、違反行為があったとジャッジされれば剥奪される可能性がある。
飼料大手会社のドッドソン&ホレール社の汚染飼料は、2006年夏にイギリスで6頭の競走馬がモルヒネの陽性反応を示した際にもその原因とされた。
飼料の汚染の多くは、近年、薬用品種のケシの栽培が増加し、ケシの種が飼料に紛れ込むことがその原因とされている。
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