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【有馬記念】瀬戸口元調教師の馬体診断


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【有馬記念】瀬戸口元調教師の馬体診断

 JRA元調教師で、有馬記念2勝のアイドルホース、オグリキャップを育てたことで知られる瀬戸口勉氏(80)が、有馬記念の出走馬の馬体を独自の相馬眼で診断した。最も熱い視線を送ったのは、今年の菊花賞馬で、ただ1頭の3歳馬サトノダイヤモンド。2番手にはサウンズオブアースを取り上げ、大穴にはアルバートを指名した。

 目移りするほどの好メンバーがそろった。なかでも、3歳馬のサトノダイヤモンドが素晴らしい輝きを放っている。

 皐月賞3着、ダービー2着、そして3冠目の菊花賞で悲願のGIを制したわけだが、その着順通りに馬も成長曲線を描いている。もともとサラブレッドの理想形と思えるほどの好馬体。菊花賞当時と比べても、臀部から後肢にすごくいい筋肉がついて大きくなった印象を受ける。菊花賞から2カ月ほど間隔をとって疲れもないだろうし、55キロの斤量もいい。菊花賞から直行で同年の有馬記念を勝った過去の3歳馬にもヒケをとらない素質、能力、体形の持ち主だと思う。

 ジャパンCから、さらに良くなったのはサウンズオブアース。私が調教師時代に皐月賞、ダービーの2冠を勝ったネオユニヴァースの産駒だが、そのネオより飛節(後肢のすねと管の間にある関節)の角度が広くて、胸前もすごく深い。キャリアを積んで馬体はグングン良くなってきた。

 大穴候補にはアルバートを取り上げたい。毛づやは良く、パワーも十分に兼備した体のつくり。荒れ馬場や時計を要する場合には対応力がありそう。

 他ではシュヴァルグランと、昨年の覇者ゴールドアクター。シュヴァルは体が柔らかそうでバネを感じさせる。アクターは胸前がガッシリしてトモがすごく発達しており、個人的には好みの体形。若干、太かったジャパンC4着時より絞れた体つきにも好感が持てる。

 ファン投票1位のキタサンブラックは、胴長で身のこなしが柔らかいから長めの距離が合う。ただ、毛づやや馬体の張りは前走時の方が良かったような気がする。それでも絶好の(1)番枠を引き当てており、大きく評価を下げることはできない。 (JRA元調教師)

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瀬戸口 勉(せとぐち・つとむ) 1936(昭和11)年11月3日生まれ、80歳。鹿児島県出身。騎手時代は63年の桜花賞(ミスマサコ)など通算329勝。73年に調教師免許を取得し、75年に開業。2007年の引退までにJRA通算864勝、重賞は平地GI13勝を含む51勝。有馬記念2勝のオグリキャップ皐月賞&ダービーを制したネオユニヴァースメイショウサムソンなど多くの名馬を育てた。

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