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【皐月賞】トゥザワールド、戴冠へ極上仕上げ
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20日に中山競馬場で行われる「第74回皐月賞」(GI、芝2000メートル)に向け、弥生賞馬トゥザワールドが16日朝、栗東トレーニングセンター(滋賀県)で抜群の動きを見せた。先週の桜花賞を制した川田将雅(ゆうが)騎手を背にラスト1F12秒0で併せた2頭を圧倒。チェッカーズの評価も“激◎”で、オルフェーヴルの池江泰寿厩舎から新たな最強スターが誕生しそうだ。
完成度では、“1強”だ。4連勝で弥生賞を制し戴冠の最短距離にいるトゥザワールドが、ピッカピカの桜花賞ジョッキーを背に栄光をグイと手元にたぐり寄せた。
好天に恵まれた栗東TC。CWコースに姿を現した主役は、ウインサーガを4馬身、クラージュドールを2馬身追いかけてペースを上げた。
コンビ【4・1・0・0】の川田騎手との呼吸はバッチリで、スムーズかつ滑らかにペースを上げ、目標に近づいた。そして直線、鞍上がかすかにGOサインを送ると、待ってましたとばかりに機敏に反応。最内から瞬時に伸び、中クラージュを1馬身半、外ウインを2馬身突き放した。
「とても、いい雰囲気です。求めた分だけ反応してくれた」。絶好の感触に、主戦は桜花賞(ハープスター)に続くクラシック連勝へ手応えを深めた。10日の時点(CWコース6F81秒6)では「若干疲れが…」と気になるニュアンスが感じられたが、「それも取れました」とピシャリ。言葉どおりに無駄がなく、メリハリの効いたアクションは、3歳春としては明らかに最上レベル。チェッカーズの評価も“A”は揺るがないところだ。
オルフェーヴルを筆頭に数々の名馬を手がけた池江寿調教師が強調するのは総合的な完成度の高さ。「まだトモのあたりはお兄さん(トゥザグローリー)より薄くて貧弱に映る。でも弟は馬体のバランスが素晴らしい。それと精神面。気持ちの面もすでに完成されたなってところがあるし、本当に頼もしい」
弥生賞はハナ差の辛勝だったが、「少し強引だったし、最後は差されたと思ったが、よくしのいでくれた。接戦になったときにどうなのかという懸念もあったので、勝てたことは大きかった。追い切りは動きもタイムも文句なし。緩急自在で折り合いも完璧、中山向きと再確認できた。お母さんはあと一歩、クラシックに届かなかったので、その意味でも気持ち良く勝ちたい」。
一戦一戦ステップアップして、頂点を眼前に捕らえたワールド。母トゥザヴィクトリー(桜花賞3着、オークス2着)、兄(ダービー7着)から託されたクラシックの夢をつかむ機は熟した。
★鞍上・川田はクラシック男
川田騎手はこれまでJRA・GIを4勝しているが、その4勝は08年皐月賞(キャプテントゥーレ)、10年菊花賞(ビッグウィーク)、12年オークス(ジェンティルドンナ)、14年桜花賞(ハープスター)とすべてクラシック。大一番での勝負強さを見せている。
なおジョッキーの桜花賞→皐月賞連勝がかなえば、93年の武豊騎手(ベガ→ナリタタイシン)以来となる。ちなみにベガはハープスターの祖母。
また、オーナーのキャロットファームも同様に連勝がかかるが、勝てば09年のサンデーレーシング(ブエナビスタ→アンライバルド)以来。その前年の08年には社台RHが連勝(レジネッタ→キャプテントゥーレ)しているが、キャプテンに騎乗していたのが川田騎手だった。
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