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7日の阪神11Rで行われたクラシック第1弾・第73回桜花賞(3歳牝馬オープン、GI、芝1600メートル、18頭立て、1着賞金=8900万円)は、クリスチャン・デムーロ騎手騎乗の7番人気アユサン(美浦・手塚貴久厩舎)がレッドオーヴァルとの叩き合いを制してV。重賞初制覇をGIの大舞台で飾った。タイムは1分35秒0(良)。
注目された武兄弟ではなく、結末はデムーロ兄弟のワンツー。しかも、勝ったのは注目度の低かった弟のクリスチャン・デムーロが騎乗したアユサンだった。前日に急遽決まった乗り替わり。千載一遇のチャンスをモノにして、20歳の若きイタリアンがGI初制覇を果たした。
レースはサマリーズが先手を奪い、クラウンロゼ、ウインプリメーラが直後につけるが、二の脚がついたクロフネサプライズが2番手まで押し上げる。よどみのない速い流れになるが、4コーナーではクロフネサプライズが先頭へ。そのまま押し切るかに見えたが、坂を上がると、中団からアユサン、後方からレッドオーヴァルがかわして2頭が叩き合う。火の出るような兄弟のバトルは、弟に軍配が上がった。クビ差2着が2番人気レッドオーヴァルで、2馬身1/2差の3着は14番人気の伏兵プリンセスジャック。4着のクロフネサプライズまでがオークス(5月19日、東京、GI、芝2400メートル)の優先出走権を手にした。
アユサンは、父ディープインパクト、母バイザキャット、母の父Storm Catという血統。北海道日高町・下河辺牧場の生産で、星野壽市氏の所有馬。通算成績は5戦2勝。重賞初勝利。手塚貴久調教師、クリスチャン・デムーロ騎手ともに桜花賞初勝利。
ディープインパクト産駒はデビュー初年度から桜花賞3年連続のV。外国人騎手による桜花賞制覇は初めてとなった。また、1勝馬による桜花賞Vは、95年のワンダーパヒューム以来、史上5頭目の快挙。
C・デムーロ騎手は「アリガトウゴザイマス。すごい馬に乗せていただきました。4コーナーで仕掛けた時にいい動きを見せてくれたし、レッドオーヴァルに並ばれても、もう一度そこから負けない気持ちを出してくれた。(親友である)松田大作騎手のお嬢さんが交通事故で亡くなられたばかりだけど、そのお嬢さんにも助けてもらったと思います。(兄ミルコは)僕にとっての先生を倒した気分です。乗った瞬間に体調の良さを感じたし、レースでもいい行きっぷりでした。幸運にも乗せてもらえたことに感謝しますが、丸山騎手が不運にも乗れなかったことなので、彼のためにも結果を出せてよかったと思います」とGI初制覇の喜びに浸っていた。
◆手塚貴久調教師の話「桜花賞には数多く使ってきていつかは、とは思っていたが夢がかなった。ことし初めてのクラシックレースでもあり、価値ある勝利だと思う」
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