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【東西現場記者走る】大物食いのアンビシャス


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【東西現場記者走る】大物食いのアンビシャス

 GI企画「東西現場記者走る」で宝塚記念を担当する大阪サンスポの川端亮平記者(33)は栗東トレセンで取材中。連載2日目は、産経大阪杯を勝ったアンビシャスの陣営を直撃した。この中間は普段から落ち着きがあり、いい意味での“遊び”を覚えたことで、課題の折り合い面にも進境をみせている。

 21日の栗東は早朝から雨が降り続いた。レインウエアに長靴の完全防備で出陣。2日目のターゲット、アンビシャスの元へ向かった。

 産経大阪杯は、あっと驚く先行策で、GI馬5頭(2着キタサンブラック、3着ショウナンパンドラ、4着ラブリーデイ、5着イスラボニータ、6着ヌーヴォレコルト)を抑え込んでV。初騎乗の横山典騎手とのコンビで新味を見せた。

 一方で「今まで(レースで)我慢させていた馬を気分よく行かせたことで、次からが難しくなる」と、反動を心配する周囲からの声もあった。だが、担当の蛭田助手は心配無用を強調する。

 「今回は(放牧先の)牧場から帰ってきたときから、いつになく落ち着いているんです。心配になるくらいだったけど、追い切りはしっかり動いてますからね。オンとオフがしっかりしていて、運動していても余裕がありますよ」

 確かに馬房での様子が違っていた。以前は馬房の扉を叩いて取材の邪魔をされたこともあったが、今回はじゃれるように鼻先をこすりつけてきた。世話役は「そんなことするようなヤツじゃなかったけどね」と笑う。それくらい精神的にどっしりしたことで、調教の動きにも変化があった。

 「まじめに走る馬で調教でも(抑えるのに)しんどいときもあったけど、今はいい意味で遊びながら走っている。ふざけてるんかな、と思うくらい。折り合いにも不安はないですね」

 調教とレースは別とはいえ、現時点では気難しさが出るどころか、課題だった折り合いの不安が解消された印象すらある。そうなれば、2走前の中山記念ドゥラメンテをクビ差まで追い詰めたこの馬が、頂点奪取に大きく浮上する。蛭田助手は「前走で、いい位置からでも意外といい脚を使えることが分かった。(出遅れて後方追走になった)中山記念より前で競馬ができれば、届いても…」と期待をこめた。

 前走でも大物キラーぶりを発揮したアンビシャス。番狂わせの大望を託すならこの馬だろうか。(川端亮平)

★GI未勝利馬が活躍

 宝塚記念はグレード制が導入された1984年以降の32回中、半数の16回でGI未勝利馬が勝利を収めている。1番人気は4頭と少なく、実績だけではなく、勢いや臨戦過程も大事な要素となっている。産経大阪杯で強豪を一蹴。進化を遂げているアンビシャスがGI初制覇を果たしても何ら不思議はない。

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