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第46回ステイヤーズS(1日、中山11R、GII、3歳上オープン国際(特指)、別定、芝・内3600メートル、1着本賞金6000万円=出走15頭)10歳馬が、史上初のGII制覇を決めた。北村宏司騎乗の8番人気トウカイトリックが2010年阪神大賞典以来、2年8カ月ぶりの重賞3勝目を挙げた。タイムは3分46秒5(良)。10歳馬によるJRA平地重賞制覇は、アサカディフィート(08年GIII小倉大賞典)と並ぶ最高齢タイ記録。この後は来年の天皇賞・春(4月28日、京都、GI、芝3200メートル)で8年連続出走を目指す。
寒風吹きすさぶ中山の名物レースで大ベテランが実力を存分に発揮した。人間に例えれば40歳代半ばの10歳馬、トウカイトリックが日本最長の平地重賞を6度目のチャレンジで制した。
「3~4コーナーをうまくさばけた。ずっと追い通しだったけど、馬にも力が残っていたし、最後も頑張ってくれた」
前走のアルゼンチン共和国杯からコンビを組む北村宏司騎手はタフなパートナーをたたえ、自身の今年の重賞初Vに「自分ももうちょっと頑張ります」と苦笑いを見せた。
大外(15)番枠から好スタートを決め、中団の内で脚を温存。直線は内を突き、先に抜け出したファタモルガーナを内からかわす。06年の阪神大賞典ではディープインパクトの2着になったこともあるディープの同期が6年後にディープの息子を従えてVゴールへと飛び込んだ。
「馬が偉い。それしかないんちゃうかな。1回叩いてよくなっていたし、ジョッキーも完璧なレースをしてくれた」
野中調教師は10年阪神大賞典に次ぐ重賞2勝目に満面の笑み。このあとは有馬記念には向かわず、「8年連続で天皇賞に行かないとアカンから」とトレーナー。06年から出走する天皇賞・春で同一GIの最多連続出走記録を伸ばすつもりだ。
ディープインパクトの同期生はまだまだ元気いっぱい。強靱な肉体と自慢のスタミナを武器に12年もターフを駆け抜ける。 (森田実)
★レースを終えて…関係者談話
◆川島信二騎手(ファタモルガーナ2着)「うまく流れに乗って競馬はできたが、最後は勝った馬とのキャリアと地力の差が出た。でも、このまま力をつけてくれば楽しみ」
◆内田博幸騎手(デスペラード3着)「前がやり合っていたし、勝負どころからスーッと上がって行けた。初めての芝の重賞を考えればいい内容だったと思う」
◆津村明秀騎手(セイカプレスト4着)「ロスなく走れたし、芝の長い距離は合う」
◆伊藤正徳調教師(ネヴァブション5着)「調子が良かったし、欲を言えばどこかで内に入れていれば良かったかな。復活の兆しは出てきたね」
◆飯田祐史騎手(メイショウウズシオ8着)「2周目のゴール板でハナに行くのは予定通りだった。そこから内ラチ沿いに入れてレースを運べたが、最後は一杯になっていた」
◆ライアン・ムーア騎手(フォゲッタブル10着)「道中はいい感じだったが、2周目の4コーナーで外から被せられると嫌気を出した」
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