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第29回フェブラリーS(19日、東京11R、GI、4歳上オープン国際(指)、定量、ダート1600メートル、1着本賞金9400万円 =出走16頭)まさに青天の霹靂(へきれき)。史上初のフェブラリーS連覇を狙い断然の1番人気に推されたトランセンドは、全く自分の形で競馬ができずに7着惨敗。直線は馬群に飲み込まれる屈辱の結果となった。
「出脚がなさすぎて、行けなかった。“絶対行ってやろう”と思っていたのに行きっぷりが悪かった。ここまで行けんとはなあ」。藤田伸二騎手も何度も首をかしげて振り返る。
(15)番枠からスタートしたトランセンドは、本来の軽やかなフットワークはどこへやら、激しく押されての追走。3コーナー手前でようやく好位に取り付くのがやっとで、息を入れる暇もなし。直線では早々とムチが入った。
「最悪、行けなかったら番手でもいいと思っていたけどズブくなってるのかな。3、4コーナーで砂をかぶると嫌がっていたし、内枠ならもっと行けてなかった」と主戦は肩を落とした。
勝ってドバイワールドCに弾みをつけたかった安田隆行調教師も惨敗に表情がこわばる。「全然行けなかったなあ、これも競馬。でも、行けなかったのが敗因とは思わない。距離がもう少しあった方がいいのかもしれないね。ドバイは予定通り行くので、そこで巻き返したい」と師は気を取り直して、昨年2着に敗れた世界最高賞金のレースでのリベンジを誓っていた。 (片岡良典)
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