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【中山記念】レース展望

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【中山記念】レース展望

 4週間にわたる東京開催が終了し、関東の舞台は中山に移る。開幕週の日曜メーンは、今年で90回目を迎える伝統の中山記念(28日、中山、GII、芝1800メートル)。安田記念(6月5日、東京、GI、芝1600メートル)を大目標にするトップマイラー、宝塚記念(6月26日、阪神、GI、芝2200メートル)を目指すA級中距離馬、天皇賞・春(5月1日、京都、GI、芝3200メートル)を狙う一流ステイヤー、あるいはドバイや豪州などの海外遠征を視野に入れる強豪が集結するハイレベルのGIIだ。今年の登録はフルゲートに満たない14頭にとどまったが、3世代の皐月賞馬を筆頭にトップホースが顔をそろえた。

 何といっても注目されるのは昨年の2冠馬ドゥラメンテ(美浦・堀宣行厩舎、牡4歳)だ。両前脚の骨折から立ち直り、ダービー以来9カ月ぶりに復帰する。1月19日に美浦トレセンに帰厩後、先週21日までに長短8本の時計をマーク。まだ昨春の状態には及ばず、陣営のトーンも控えめだが、能力は断然と言っていい。今後は登録のあるドバイターフ(3月26日、UAEメイダン、GI、芝1800メートル)、ドバイシーマクラシック(同、芝2410メートル)のどちらかに出走する可能性もあるが、すべては今回の結果が出た後に協議される。小回りの中山でも、特に先行馬有利として知られる1800メートル戦。取り巻く環境は決して楽ではないが、最終追い切りの動きが大いに注目されるところだ。

 順調度なら1年先輩の皐月賞イスラボニータ(美浦・栗田博憲厩舎、牡5歳)が上。昨秋は毎日王冠→天皇賞・秋→マイルチャンピオンシップいずれも3着と勝ち切れない競馬が続いたが、レースぶりは悪くなかった。3カ月の休み明けだが、馬体はすっきりし、仕上がりは良好。こちらは4月9日の豪GIクイーンエリザベス2世S(ロイヤルランドウィック、芝2000メートル)に挑戦するプランがある。前走のマイルCSでゲート内の駐立に課題を残したため、中間はその点にも配慮しながらの調整。3歳秋のセントライト記念以来、久々の勝利を目指す。

 皐月賞馬はもう1頭、一昨年のロゴタイプ(美浦・田中剛厩舎、牡6歳)も出走する。皐月賞後は14戦未勝利ながら、このレースでは一昨年3着、昨年2着と好走。マイルCS9着以来3カ月ぶりの出走になるが、1週前追い切りでは上々の動きを披露している。今年も好勝負が望めそうだ。この馬は豪GIクイーンエリザベスSの他、同じロイヤルランドウィックで4月2日に行われるドンカスターマイル(GI、芝1600メートル)にも登録がある。田辺裕信騎手との新コンビで、どんなレースを見せるか興味深い。

 もう一頭、注目される4歳馬がリアルスティール(栗東・矢作芳人厩舎、牡4歳)だ。デビュー2戦目の共同通信杯ドゥラメンテを破ったが、皐月賞2着、ダービー4着、菊花賞2着と、3冠レースにはあと一歩手が届かなかった。そのぶん、陣営の今年にかける意気込みは並々ならぬものがあり、菊花賞以来4カ月ぶりのレースでも調整はいたって順調に進んでいる。レース巧者でコースに注文がつくタイプではなく、その点ではドゥラメンテをしのぐ存在。立ち回りのうまさを生かして結果を残せば、陣営が望むドバイ遠征にも追い風となるだろう。

 ジャパンCでクビ差2着の実績があるラストインパクト(牡6歳)は、これまで管理してきた松田博資調教師が今月限りで定年になるため、すでに同じ栗東の角居勝彦厩舎に転厩している。一流厩舎だけに環境が変わっても大きな問題はないだろう。2000メートル未満の距離に出走するのは一昨年の小倉大賞典(1着)以来。距離への対応がひとつのポイントになりそうだ。

 同厩のフルーキー(牡6歳)も大崩れがないタイプ。中山金杯では上がり3ハロン32秒7という末脚を見せており、順調に使われている強みを生かして上位争いに加わっても不思議はない。

 折り合いを欠いた天皇賞・秋でも5着と崩れなかったアンビシャス(栗東・音無秀孝厩舎、牡4歳)も注目の4歳馬。昨年の共同通信杯ではリアルスティールドゥラメンテの後塵(こうじん)を拝して3着に敗れているが、当時よりも明らかに力をつけている。この馬とコンビを組んで3戦3勝のクリストフ・ルメール騎手に手が戻るのは歓迎材料。強い4歳世代の勢力図を塗り替える可能性も十分にある。

中山記念の特別登録馬(想定騎手入り)はこちら

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