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【日本ダービー】池江寿師、オルフェで最年少V
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第78回ダービー(29日、東京11R、GI、3歳オープン国際、せん馬不可、定量、芝2400メートル、1着賞金1億5000万円=出走18頭)10歳の頃から、ダービーを勝つのが夢だった-。そんな子供の頃からの願いを、池江泰寿調教師(42)=栗東=がオルフェーヴルで叶えた。父、池江泰郎元調教師(70)の背中を見ながら競馬の世界へ。そして、父が05年にディープインパクトで制した栄冠を息子も勝ち取った。史上2組目となる調教師による父子2代のダービー制覇を達成。その偉業に息子も父も、喜びに包まれた。
小学生の頃、小さな心に強く誓った。日本ダービーを勝つ! その熱い思いを、見事に現実のモノにした。開業8年目の池江泰寿調教師がオルフェーヴルでV。42歳4カ月17日でのダービートレーナーは、グレード制が導入された84年以降では、角居勝彦調教師(07年ウオッカ)の43歳1カ月30日を更新する史上最年少記録となった。
「10歳の時から、ダービーを勝つのが僕の夢でした。それからしたら、長かったですよ」
“長年の夢”を叶えた若きトレーナーは、軽くほほえんだ。
皐月賞を制して1番人気で迎えたダービー。この中間は体を減らさないように注意を払い、前走比4キロ増の444キロで出走。最高峰の舞台に、万全の状態で送り出した。
「装鞍所で馬体重を見て、“ヨシ”と思いました。オルフェーヴルの強さに、自分も感動しましたし、タフな馬場だったけれど、馬もよく頑張ってくれました。牧場、騎手、厩舎スタッフのみんなが、馬に我慢を教え込んだことが、ここに生きてくれたと思います」
同馬の父ステイゴールドには、今年2月に定年で解散した父・池江泰郎厩舎で、調教助手として携わった。全兄のドリームジャーニー(09年有馬記念など)と同様、ステイの気性の荒さを受け継いだオルフェーヴルを、うまく矯正しながら世代の頂点へと導いた。
05年にディープインパクトでダービーを制覇した父の泰郎元調教師も、東京競馬場で観戦。父・松山吉三郎(62、86年)、子・康久(83、89年)以来、調教師では史上2組目となる父子ダービー制覇に「こんなことがあっていいのかな。父ステイゴールド、母の父メジロマックイーンも道悪が上手だったけど、できすぎでしょう」と、父は目を細めていた。
子供の頃は同級生の武豊騎手と一緒に乗馬を習っていた池江寿師。騎手を目指していたが、身長が伸びたためジョッキーの道を断念。ダービートレーナーになるために、努力を続けてきた。そして、父が育てたゆかりの血統での悲願達成。今年のダービーは、人馬ともに血のドラマがあった。(鈴木康之)
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