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【日本ダービー】バリアシオンよ華麗に舞え!
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前哨戦のGII青葉賞を制したウインバリアシオンの調教を担当する中山義一助手(55)=栗東・松永昌博厩舎=が、サンケイスポーツに特別寄稿。この道30数年のベテラン調教助手が、ダービーに賭ける思いなど、愛馬のすべてを語った。
ウインバリアシオンが、ダービートライアルの青葉賞で見事な勝利を飾った。松永昌博厩舎としては06年の厩舎開業以来、初の日本ダービー出走となる。
思えば、昨年夏の入厩当時、バリアシオンは体質が弱くて、担当のタケちゃん(竹邑厩務員)が、ウオーミングアップで厩舎周りを歩いているときなども「いつも転びそうで…」と心配するほど。調教担当の私も、これだけ体が緩いと時間がかかると思っていた。
ところが、出走に向けて、強い調教を行うごとに課したメニューを楽々とクリア。500キロを超える馬体が、追い出すと400キロ前半のような手脚の素軽さと瞬発力を見せる。馬の背中で仕事をして30数年、多くのオープン馬の乗り味を知っているが、これだけ緩く未完成な状態でこれほどの動きをする馬に私は出会ったことがなかった。
新馬→オープン特別(野路菊S)を連勝したとき、タケちゃんに「無事にいけば競馬人生変わるよ!」と冗談交じりに感触を伝えていたが、本心は「ケタが違うのでは!?」と思っていた。
その後の3戦は裂蹄(蹄が割れてしまうこと)の影響でレースでは伸びきれず、結果を出せなかったが、栗東近郊のノーザンファームしがらきへの短期放牧で、その不安も解消。青葉賞では本番と同じ東京芝2400メートルでラスト3ハロン33秒6の末脚を繰り出して勝ってくれた。
日本ダービーは、競走馬に携わるすべての者にとって、最大の目標である。昔から「その年最も運が強い馬が勝つ」と言われ、私はそれを目の当たりにしてきた。馬の強さや速さ、バランスだけでなく、運や携わる人たちの力、つまり“人力”もなければ勝てない国内最高峰のレース、それがダービーだ。今年は“戦国ダービー”といわれ、出走馬18頭すべてにチャンスがあると思われる。
バリアシオンの完成度はまだ100%に満たないが、人力だけは他陣営にヒケをとらない。瀬戸口勉厩舎時代にラインクラフト、オグリローマンで桜花賞を制した『仕事人』の担当タケちゃん、言わずとしれた『名手』安藤勝己騎手と力を結集し、決戦に向け、ムードは最高である。ウインバリアシオンよ、ダービーという夢舞台で華麗なるソリストの舞を見せてみろ!!(松永昌厩舎調教助手)
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