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サンカルロ(美・大久保洋、牡5)が好調だ。阪急杯で1年10カ月ぶりの勝利をあげると、続く高松宮記念は2着。一時の低迷期を脱して完全復調を果たした。春のマイル王を占う重要な前哨戦を制し、短距離戦線の主役へ名乗りをあげる。
全休日明けの10日も、サンカルロはいつもと変わらず坂路での乗り込みを消化。脚捌きは実に軽快だ。1週前追い切りでも、坂路でラスト1ハロン11秒9(4ハロン55秒9)をマークしており、仕上げに一切ぬかりはない。「この中間は放牧に出さず、厩舎でじっくり調整。今のデキは95点以上だな」と大久保洋調教師は満足げな笑みを浮かべる。
2走前の阪急杯で09年のニュージーランドT以来、約1年10カ月ぶりの勝利をあげると、前走のGI高松宮記念は短距離王のキンサシャサノキセキに次ぐ2着。競走を中止した馬と接触しながらも、上がり3ハロンメンバー最速の33秒3で馬群の中から割って出て、その存在を強くアピールした。「昨年は極端にデキが悪いわけではなかったが、もうひと息で、歯車もうまくかみ合わなかった。今年は明らかに良くなっているし、次の安田記念(6月5日、東京、GI、芝1600メートル)に向けて、結果を出さなければいけない」とトレーナーは1着を強く意識している。
鞍上の吉田豊騎手も、気持ちは同じだ。「すごくいい感じできている。1200メートルは追走に苦労するので、1ハロンでも距離が延びるのはいい。展開に注文はつくが、東京コースも合う。条件的にベスト」とキッパリ。前哨戦のここは負けられない構えだ。
充実一途のサンカルロが、キンシャサノキセキが引退した短距離界を背負って立つ。(松永昌也)
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