第2回
紫苑ステークス(9日、中山11R、GIII、3歳牝馬オープン国際(指)、馬齢、芝・内2000メートル、1着本賞金3500万円、1~3着馬に
秋華賞の優先出走権 =出走18頭)
岩田康誠騎乗で1番人気の
ディアドラが、3頭横並びの大激戦をハナ差制して重賞初V。HTB賞に続く連勝で本格化をアピールした。タイム1分59秒8(良)。
ディアドラと2着
カリビアンゴールド、3着
ポールヴァンドルの3頭が、
秋華賞(10月15日、京都、GI、芝2000メートル)の優先出走権を獲得した。
牝馬クラシック2冠でともに上がり最速をマークした脚力は本物だ。
ディアドラが、3着までハナ、ハナ差の大激戦を制して重賞初V。
桜花賞6着、
オークス4着と善戦止まりだった春とはひと味違う姿を、秋晴れの中山でアピールした。
「接戦以上にすごく強い競馬をしてくれた。馬体もひと回り大きくなったし、(春は)勝ちみの遅い馬だったけど、一戦一戦強くなっている」
着順が確定し、ひと安心といった表情の岩田騎手が、パートナーの成長に胸を張った。馬群をスムーズにさばいた2、3着馬に対し、
ディアドラは終始、外を回る形。まさに力でねじ伏せる競馬だった。
紫苑SがGIIIに昇格した昨年は、2着
ヴィブロス、5着
パールコードが
秋華賞でワンツー。本番への結びつきが一気に強くなった。「この2戦は
秋華賞を意識してコーナー4つの競馬を選んだ」と明かす橋田調教師も、「届いているか少し心配だったけどね。次につながる競馬ができた」と京都内回り2000メートルの本番へ向けた万全の予行演習に満足げ。連勝で勝負強さも身につけ、充実一途の近況だ。
岩田騎手のお手馬には来週の
ローズSに参戦予定の
ファンディーナもおり、本番の騎乗者は流動的。それでも、
ディアドラは主戦を振り向かせられるくらいの成長力を誇示した。それは、淀の大一番での確かな自信になるはずだ。 (板津雄志)
★
カリビアンゴールド「運なかった」2着
6番人気
カリビアンゴールドはハナ差の2着。直線で一旦は抜け出したが、最後は首の上げ下げで惜敗した。「最後まで伸びていた。ここを勝って胸を張って本番に行きたかった…」と田中勝騎手は悔しさをにじませたが、来年2月に定年を迎える
小島太調教師はGI切符を手に入れて「今日は運がなかったということ。
秋華賞もちょこっとだけ夢を持てるな」と笑顔を見せていた。
★9日中山11R「
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ディアドラ 父ハービンジャー、母ライツェント、母の父
スペシャルウィーク。鹿毛の牝3歳。栗東・
橋田満厩舎所属。北海道安平町・ノーザンファームの生産馬。馬主は森田藤治氏。戦績13戦4勝。獲得賞金1億779万2000円。重賞初勝利。
紫苑Sは
橋田満調教師、
岩田康誠騎手ともに初勝利。馬名は「ケルト神話に登場する女性名」。