第54回
金鯱賞(11日、中京11R、GII、4歳上オープン国際(指)、別定、芝2000メートル、1着本賞金6200万円、1着馬に
大阪杯の優先出走権 =出走9頭)ミルコ・デムーロ騎乗で1番人気のスワーヴリチャードが、好位追走から力強い末脚を駆使して快勝。
大阪杯(4月1日、阪神、GI、芝2000メートル)へ弾みをつける勝利となった。タイム2分1秒6(稍重)。2着は8番人気の
サトノノブレス、3着は2番人気の
サトノダイヤモンドが入った。
快晴の尾張の芝で、スワーヴリチャードがグイッと伸びた。一昨年の
有馬記念勝ち馬
サトノダイヤモンドの追撃を封じ、明け4歳となった初戦でV。M・デムーロ騎手の笑みがはじけた。
「初めて乗ったときからいい馬だと思っていた。素晴らしい。強いです」
スタート後はやや力んでいたが、鞍上が懸命になだめて3番手の外めをキープ。向こう正面で、逃げる
サトノノブレスに並びかけそうな勢いでポジションを上げた。2番手で直線に向くと、ゆっくりとエンジンをふかしていく。最後は逃げ粘る
サトノノブレスを、ねじ伏せるようにかわした。着差は半馬身だが、余裕たっぷりで、強さを感じさせる内容だった。
積極的な競馬は、前走の教訓を生かした形だ。
有馬記念はスローペースのうえ、16頭中(14)番枠で終始、馬群の外を回らされる展開。直線で苦しくなり、内にもたれて4着に敗れた。
「(前走は)外だったから、(今回は早めに)前に行った」とデムーロ騎手が作戦を明かす。有馬のような外を回る競馬を避けて、早めにポジションを取りにいった。庄野調教師も「いい意味でズルくなったね。出していってから他の馬もペースを上げてくれたし、追い出しを待つ余裕もあった」と満足そうだった。
「成長しているし、これからが楽しみ」とジョッキーが期待すると、トレーナーも「胸前と腰回りに筋肉がついてきた」と目を細めた。プラス10キロもほぼ成長分といえそうだ。
次走の
大阪杯は、右回りの阪神内回りと舞台は一変するが、今回のような自在な競馬ができれば問題ないだろう。4歳を迎えて進化を続けるスワーヴリチャードが、念願のGI取りに向けて力強く踏み出した。 (長田良三)
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スワーヴリチャード 父
ハーツクライ、母ピラミマ、母の父アンブライドルズソング。栗毛の牡4歳。栗東・
庄野靖志厩舎所属。北海道安平町・ノーザンファームの生産馬。馬主は(株)NICKS。戦績9戦4勝。獲得賞金3億1313万4000円。重賞は2017年GIII
共同通信杯、GII
アルゼンチン共和国杯に次いで3勝目。
金鯱賞は
庄野靖志調教師、ミルコ・デムーロ騎手ともに初勝利。馬名は「冠名+人名より」