第152回天皇賞・秋(1日、東京11R、GI、3歳上オープン国際(指)、定量、芝2000メートル、1着本賞金1億5000万円 =出走18頭)
浜中俊騎乗の1番人気
ラブリーデイが、4番手から早めに先頭に立って押し切り、重賞4連勝でGI2勝目を挙げた。タイム1分58秒4(良)。馬主の金子真人ホールディングス(株)は、8大競走(クラシック5レース、天皇賞・春秋、
有馬記念)完全制覇となった。次走は
ジャパンC(29日、東京、GI、芝2400メートル)。2着は10番人気の
ステファノス、2番人気の
エイシンヒカリは逃げられず9着に敗れた。
まだ早い、まだ待てる-。9万人を超える大歓声に迎えられた最後の直線。浜中騎手は背後から迫りくる蹄音を聞き定め、
ラブリーデイの手綱を押さえる余裕があった。
「すごく手応えがよくて、少し早く先頭に立ちそうだったので、なるべく追い出しを待った。抜け出すときも力強くて、グランプリホースの強さを感じながら乗っていました。本当に強かった」
クラレントが
エイシンヒカリのハナを叩く意外な展開にも動じなかった。ゆったりした流れの向こう正面で少し行きたがったが、我慢させて4番手をキープし、抜群の手応えで最後の直線に向く。先行馬を早々と射程圏に捕らえると、残り400メートルで右後方を確認。鞍上の
ゴーサインであっさり先頭に立ち、半馬身の着差以上に力の違いを見せつけた。
1番人気に応えたGI2勝目。浜中騎手はゴール後、どうだといわんばかりに立ち上がって右手を振り下ろした。
鳴尾記念から続く連勝を4に伸ばし、今年の重賞6勝目。JRAの年間重賞6勝以上は史上12頭目となった。
昨年まで重賞未勝利だったが、今年に入って覚醒。精神面の成長が肉体面の成長につながり、父
キングカメハメハをほうふつとさせる筋骨隆々とした容姿になった。心肺機能も右肩上がりで、担当の山元助手は「きょうのレース後も余裕がありましたね」と舌を巻くほど。「まだ先があるので仕上げきっていなかった」と振り返る池江調教師の言葉からは、末恐ろしさを感じる。
絶対的存在がいなかった古馬王道路線で今年唯一のGI2勝。スターホースの仲間入りを果たし、年度代表馬の座も視野に入ってきた。次はGI6勝の
ゴールドシップとともに、日本代表の大将格として
ジャパンCに向かう。
池江調教師は「欧州で『今年の日本馬は弱い』という噂が回っているので、『日本馬は強いんだ』というのを見せたい」と力を込めた。
まだ余力がある。
ラブリーデイはもっともっと強くなれる。 (川端亮平)
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ラブリーデイ 父
キングカメハメハ、母ポップコーンジャズ、母の父
ダンスインザダーク。黒鹿毛の牡5歳。栗東・
池江泰寿厩舎所属。北海道安平町・ノーザンファームの生産馬。馬主は金子真人ホールディングス(株)。戦績25戦9勝。獲得賞金6億4755万5000円。重賞は2015年GIII中山金杯、GII
京都記念、GIII
鳴尾記念、GI
宝塚記念、GII
京都大賞典に次いで6勝目。天皇賞・秋は、
池江泰寿調教師が11年
トーセンジョーダンに次いで2勝目、
浜中俊騎手は初勝利。馬名は「すばらしいお天気の一日」。