ついにこの瞬間がやってきました。
エピファネイアで
菊花賞優勝。ゴールしたとき、達成感に包まれました。3000メートルのレースなので、簡単にはいかないと思っていましたが、最高のレースができましたからね。
3番手追走に驚かれた方もいらっしゃると思いますが、前にいれば不利を受けにくいですし、最初から選択肢のひとつでした。ポイントは、スタート直後の3コーナー下り坂。先手をとった
バンデが少し外にふくれたときに、ハミをグッとかみましたが、そこでかみ切らなかったところに春からの成長を感じました。2周目の向こう正面で、もう負けることはないと勝利を確信しました。
春の
皐月賞、
日本ダービーは2着。自分がいたらなかったから結果を出すことができなかっただけで、その結果を受け止めて前に進んでいくしかない。幸運なことに秋も騎乗するチャンスをいただくことができました。
エピファのあり余るパワーに負けないため、筋力トレをして挑んだ秋初戦の
神戸新聞杯。エピファのパワーを抑え込んで折り合いをつけることができ、春とは違った結果を出せた。これだけのパワーと闘争心をもった馬に騎乗できる経験は貴重だし、ジョッキーとしてもうひとつ階段を上ることができました。
プライベートでも、忘れられない年になりました。(元フジテレビアナウンサーで)妻の翠(みどり)と結婚して、子供(来年3月出産予定)も授かりました。結婚前に「今は競馬の成績もいいけど、勝てなくなる時期がくるかもしれない」と話したとき、妻は「そうなったらそうで私に任せて」といってくれた。こういうパートナーに巡り合えてよかったし、一番応援してくれる家族にいい報告ができます。 (JRA騎手)
★2人仲良く“加トちゃんペ”
菊花賞のプレゼンター、タレントの加藤茶は福永騎手と一緒に“加トちゃんペ”のポーズを披露。観客を沸かせた。「僕は晴れ男なので、
菊花賞本番のときに雨も上がり、いいレースを見ることができました」と競馬を満喫。