フェブラリーS(22日、東京11R、GI、4歳上オープン国際、定量、ダ1600メートル、1着本賞金9400万円=出走16頭)馬主歴15年。初めてJRA・GI勝ちの美酒を味わうその瞬間、高嶋哲オーナー(74)=石川県白山市在住、「ナナオ(株)」ディスプレー装置専業メーカー会長=の姿はなかった。「私が競馬場に出向くと勝てないジンクスがあるようで」というのが理由だが、水に関するボランティアの会議のため面と向かった応援を控えざるを得なかったからだ。
代わって競馬場に足を運んだのは自身もオーナーである祐子(さちこ)夫人。「もう、まさか、まさかって思っているうちに先頭に立っちゃって…。最後は“行け~っ”て叫んでしまいました」。ご主人への報告はの問いに、祐子夫人は持っていた携帯電話を指して「イェ~ッ! でした」と茶目っ気たっぷりに笑った。
出産シーズンで多忙なため表彰台に生産者(北海道・浦河にある谷川牧場)の姿はなかったが、今年デビューの妹(2歳、父
サクラバクシンオー)の評判は上々。そして、母
サクセスビューティのお腹にはブロッケンと同じクリスエスとの間の命(5月6日誕生予定)が息づいている。(水戸正晴)