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第52回AJCC(23日、中山11R、GII、4歳上オープン国際、別定、芝・外2200メートル、1着本賞金6000万円 =出走11頭)好位の外めを追走したトーセンジョーダンが直線で力強く伸び、逃げたミヤビランベリを捕らえてV。1番人気に応えて重賞2勝目を飾った。タイム2分14秒2(良)。蹄の不安が解消してしっかりとトレーニングを積めるようになり、素質馬が5歳を迎えて本格化。春の最大目標である天皇賞(5月1日、京都、GI、芝3200メートル)へ突き進む。AJCC3連覇に挑んだネヴァブションは3着だった。
着差は3/4馬身でも、58キロを背負って好位から抜け出した内容は、堂々たるものだった。有馬記念5着トーセンジョーダンが、昨秋のアルゼンチン共和国杯に次ぐ2度目のGII制覇。再びGIを目指す手応えをつかんだ。
「きょうは負けられないと思っていました。斤量うんぬんより、この馬の強さを出したい、と。着差以上に強い競馬をしてくれました」
内田博幸騎手は内容に胸を張る。道中は4、5番手の外めを追走し、直線で力強く脚を伸ばして前を追い詰めた。1000メートル通過63秒4のスローの逃げに持ち込んだミヤビランベリを、残り100メートルでキッチリ捕らえたことに、価値がある。
昨年10月のアイルランドトロフィー1着以来、2度目の騎乗だった内田博は、自身にとって今年の重賞初勝利。「チャンスが十分すぎるくらいの馬。責任を果たした達成感は大きいです」と笑みをこぼす。これが今年のJRA11勝目で、松岡、蛯名騎手に2勝差で全国リーディングの単独トップに躍り出た。09、10年の全国最多勝利騎手が、ついにパワー全開だ。
ジョーダンも、ここへきて能力をフルに発揮できるようになってきた。2歳秋に3連勝を飾ったが、2度の裂蹄で長期休養。だが、昨夏から蹄の状態が安定してきたことで「しっかり調教を積めるようになって、能力を引き出すことができるようになりました」と池江寿調教師は目を細める。
今後は阪神大賞典(3月20日、阪神、GII、芝3000メートル)か日経賞(3月26日、中山、GII、芝2500メートル)を挟んで天皇賞・春へ。「GI制覇という希望が出てきました」と池江寿師が言えば、内田博も「器用で乗りやすく、瞬発力も備えている馬。十分狙っていけると思う」と後押し。上昇気流に乗った今のトーセンジョーダンなら、春の盾まで一気に射止めそうな気配だ。(黒田栄一郎)
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