第35回東海ステークス(21日、中京11R、GII、4歳上オープン国際(指)、別定、ダ1800メートル、1着本賞金5500万円、1着馬にフェブラリーステークスの優先出走権 =出走16頭)古川吉洋騎乗で断然の1番人気に推されたテイエムジンソクが逃げ切り、重賞2勝目を手にした。優先出走権を獲得したフェブラリーS(2月18日、東京、GI、ダ1600メートル)での新ダート王襲名を狙う。タイム1分51秒8(良)。3/4馬身差の2着に13番人気のコスモカナディアン、3着は6番人気のモルトベーネが入った。
はっきりとダート王の座が視界に入ってきた。西日が傾いた尾張の地でテイエムジンソクが見事な逃げ切り勝ち。頂点に挑む2018年の初戦で、昨年11月のみやこSに続く重賞2勝目をゲットし、主戦の古川騎手も笑みが絶えない。
「強かったですね。ちょっと力んでいたけど、休み明けとしてはこんなもの。これからもっともっと走ってくれると思いますよ」
スタート後はサルサディオーネとハナを競う展開になった。それでも1コーナーで主導権を奪うと、マイペースの逃げに持ち込んだ。道中は淡々とした流れを作り、4コーナーを回ってもまだ楽な手応え。直線を向いて満を持して追い出されると、内を突いたコスモカナディアンが迫ってきた。だが、「一瞬チラッと見えたけど、止まってる感じもなかったし、心配していなかった」と鞍上は愛馬の底力を疑わない。持ち味でもある並ばれてからの粘り腰を発揮して、3/4馬身差でVゴールを駆け抜けた。
「自分でレースを作れたし、3着以下は離している。ジョッキーはこの馬の脚をよく知っているし、手の内に入れているからね」
木原調教師は人馬に全幅の信頼を寄せるが、一方で単勝1・3倍の圧倒的な支持には「プレッシャーでのどが渇いた」と本音もチラリとのぞかせた。昨年5月からコンビを組む古川騎手とジンソクは、これで7戦連続連対。息の合ったコンビの勢いは止まらない。
さぁ、次は大目標のフェブラリーSだ。木原調教師は「ワンターンは気にしていない。ガンガン行く馬じゃないからね」と初の東京マイル戦にも自信をみなぎらせる。
今年最初のGIには昨年、JRAの春秋ダートGIを連覇したゴールドドリームも参戦予定。前哨戦を制して上昇気流に乗ったジンソクなら、新王者に就く可能性は十分にある。 (長田良三)
★21日中京11R「東海S」の着順&払戻金はこちら
テイエムジンソク 父クロフネ、母マイディスカバリー、母の父フォーティナイナー。芦毛の牡6歳。栗東・木原一良厩舎所属。北海道日高町・日高テイエム牧場株式会社の生産馬。馬主は竹園正繼氏。戦績25戦9勝。獲得賞金3億493万円。重賞は2017年GIIIみやこSに次いで2勝目。東海Sは木原一良調教師、古川吉洋騎手ともに初勝利。馬名は「冠名+迅速」。