20日の阪神11Rで行われた第64回
阪神大賞典(4歳上オープン、GII、芝3000メートル、11頭立て、1着賞金=6700万円、1着馬に天皇賞・春の優先出走権)は、
福永祐一騎手騎乗の1番人気
シュヴァルグラン(牡4歳、栗東・
友道康夫厩舎)が中団追走から差し切って完勝。天皇賞・春(5月1日、京都、GI、芝3200メートル)の優先出走権を獲得した。タイムは3分5秒8(良)。
姉に続くGI制覇へ、弟が長丁場を力強く制圧した。明け4歳馬のワンツーとなったが、軍配が上がったのは1番人気
シュヴァルグラン。GI・2勝馬
ヴィルシーナの弟が、文句なしの強さでマラソンレースを制した。友道厩舎は若葉Sの
アドマイヤダイオウに続く阪神の土日メーン制覇。福永騎手は負傷明け初の重賞勝ちで、20年連続のJRA重賞Vとなった。
レースは
カレンミロティックが気合をつけての先行策。離れた2番手に
タマモベストプレイがつけて、さらに
アドマイヤデウス、
トーホウジャッカルと続く。前の4頭から離れた位置に
マイネルメダリスト、
タンタアレグリアが追走して、人気の
シュヴァルグランはその後ろから。大きな動きはないまま流れ、直線入り口で後続も接近する。
トーホウジャッカルは手応えが今ひとつ。対照的に、外からグンと上昇してきた
シュヴァルグランは前を射程圏に入れて、先頭に並びかけてきた。直線に入ると、外から伸びてきた
タンタアレグリアと
シュヴァルグランが抜け出すが、最後は
シュヴァルグランがあっさりと決着をつけ、2馬身1/2差をつける完勝。天皇賞へ大きく前進した。2着は4番人気の
タンタアレグリア。さらに3馬身差の3着が3番人気の
アドマイヤデウスだった。
シュヴァルグランは、父
ハーツクライ、母
ハルーワスウィート、母の父Machiavellianという血統。北海道安平町・ノーザンファームの生産馬で、佐々木主浩氏の所有馬。通算成績は12戦5勝。重賞初勝利。
友道康夫調教師は2008年
アドマイヤジュピタに次いで
阪神大賞典2勝目、
福永祐一騎手は12年
ギュスターヴクライに次いで2勝目。
20年連続のJRA重賞勝ちを果たした福永騎手は「強かったです。前回、少し駐立の悪いところがあったので中間、厩舎の方でゲート練習を入念にしてくれていましたし、最後入れというのもありましたが、馬もおとなしくなっていて、スタートは五分に出られました。もう少し前めの競馬もイメージしていましたが、自分が思っていたよりも前半のペースが流れたので、位置取りはあそこでいいかなと思っていました。ずっと折り合いはついていましたし、前に2着馬がいてその動きをずっと見ていましたが、あまり動く気配がなかったので、強気に行きました。本番を控えていますので、余力を残せればいいなと思っていましたが、そんなに甘くはないんでね。馬は一生懸命走ってくれて、強い内容で勝てたと思います。(距離も)問題なかったですね。最後もしっかり脚を使えていますし、考えていた以上に長距離の適性が高い馬だと思います。(復帰後初の重賞勝ちについて)休んでいる間に騎乗依頼をいただいて、ありがたかったですし、励みになりました。結果でしかこたえられないと思っていましたし、勝てて良かったです。スタートさえ良ければ、前で競馬もできる馬ですし、ペースに合わせたポジションで競馬ができるのが最大の強みだと思います。こういう距離でも最後にしっかり伸び切れる瞬発力も持っていますし、楽しみですね」と天皇賞での戴冠を見据えていた。
★20日阪神11R「
阪神大賞典」の着順&払戻金はこちら