導師嵐山
村吉
くりーく
第57回サンケイスポーツ杯阪神牝馬ステークス(12日、阪神11R、GII、4歳上オープン牝馬国際(指)、別定、芝・内1400メートル、1着本賞金5300万円=出走13頭)1番人気で武豊騎乗のスマートレイアーが、出遅れながらも直線で豪快に差し切って重賞初制覇。タイム1分20秒3(良)。優先出走権を獲得したヴィクトリアマイル(5月18日、東京、GI、芝1600メートル)に向けて弾みをつけた。2着は3番人気のウリウリ、3着は9番人気のローブティサージュ。 出遅れも、強さを引き立たせる演出に過ぎなかった。スマートレイアーが最後方から末脚一閃で重賞初V。桜色の勝負服に身を包んだ武豊騎手は、頭をかきながらも笑顔で切り出した。 「立ち上がるようにゲートを出た。秋華賞のときもあんな感じ。でも、一度、こういう競馬もしてみたいと思ってたから、いいタイミングだった。いいレースができたから本番が楽しみだね」 出遅れていきなり3~4馬身のビハインドとなったが、腹をくくった。クロフネサプライズが軽快に飛ばすなか、最後方で待機。直線で大外に持ち出すと、ラスト200メートルから1頭だけ次元の違う末脚で伸びた。競り合うウリウリとローブティサージュをきっちり捕らえたところがゴール。初の1400メートルにも難なく対応し、今春の大目標・ヴィクトリアマイルに最高の形で弾みをつけた。 JRA通算300勝を同時に達成した大久保龍調教師は「母系が短いところ(向きの血統)なので、五分にスタートしても競馬はしやすかったと思います。ヒヤッとしたけど、改めて能力が高いと思いましたね」と破顔一笑だ。 「短い方が切れる。マイルは合いそう。東京向きやね」 武豊騎手の脳裏には、早くもパートナーをマイル女王へとエスコートするイメージができあがっているようだった。 (川端亮平)★12日阪神11R「サンスポ杯阪神牝馬S」の着順・払戻金はこちらスマートレイアー 父ディープインパクト、母スノースタイル、母の父ホワイトマズル。芦毛の牝4歳。栗東・大久保龍志厩舎所属。北海道新ひだか町・岡田スタツドの生産馬。馬主は大川徹氏。戦績8戦5勝。獲得賞金は1億4222万円。重賞初勝利。サンスポ杯阪神牝馬Sは大久保龍志調教師が初勝利。武豊騎手は1987年シヨノリーガル、93年ノースフライト、2003年ファインモーション、05年アドマイヤグルーヴに次いで5勝目。