村吉
第22回ファンタジーステークス(3日、京都11R、GIII、2歳牝馬オープン国際(指)、馬齢、芝・外1400メートル、1着本賞金2900万円 =出走13頭)C・デムーロ騎乗で5番人気のベルーガが後方から鮮やかに差し切り勝ち。無傷の連勝で重賞初制覇を飾った。タイム1分22秒9(良)。C・デムーロ騎手はスワンS(サングレーザー)に続く2週連続の重賞勝ち。2着は3番人気のコーディエライトで、3着が1番人気のアマルフィコーストだった。 暖かい光が降り注ぐ、秋晴れの淀でベルーガが極上の切れ味を発揮した。見事にエスコートしたC・デムーロ騎手は、2週連続の重賞Vに笑みがこぼれた。 「直線はすごい瞬発力だったね。気持ちよかったです」 激しい先行争いを尻目に、スタート直後から後方へ。馬場の外めを楽な手応えで追走し、末脚を温存した。4コーナーでスパート。直線では一番外に進路をとり、鞍上のアクションに応えてゴール直前に差し切った。上がり3ハロンはメンバー最速の33秒9。破壊力抜群の末脚が光った。 「新馬戦でいい脚を使っていましたし、ジョッキーがそのイメージで乗ってくれました」 中内田調教師も、イタリアの名手に最敬礼だ。新進気鋭の中内田師は、今年のJRA2歳戦成績が18戦で【9・3・2・4】という驚異的な数字。重賞にいたっては、新潟2歳S(フロンティア)、サウジアラビアロイヤルC(ダノンプレミアム)に続き、3戦3勝と圧巻の成績を残している。 「これから距離を延ばしていけるかが課題になる」と指揮官は慎重な姿勢を見せながらも期待の口ぶり。次走は未定だが、「まだ2戦目。馬も成長するだろうし、能力もある。1ハロンは延びても大丈夫」と鞍上も太鼓判を押した。阪神JF(12月10日、阪神、GI、芝1600メートル)を含む大舞台へ、さらに切れ味を磨いていく。 (山口大輝)★3日京都11R「ファンタジーS」の着順&払戻金はこちらベルーガ 父キンシャサノキセキ、母アドマイヤライト、母の父クリスエス。青毛の牝2歳。栗東・中内田充正厩舎所属。北海道安平町・ノーザンファームの生産馬。馬主はR・アンダーソン氏。戦績2戦2勝。獲得賞金3646万2000円。重賞初勝利。ファンタジーSは中内田充正調教師、クリスチャン・デムーロ騎手ともに初勝利。馬名は「最高級キャビアの種類名」。