第63回
北海道新聞杯クイーンステークス(2日、札幌11R、GIII、3歳上牝馬オープン国際(特指)、別定、芝1800メートル、1着本賞金3500万円 =出走10頭)札幌開幕週恒例の牝馬GIIIは、後方でじっくりとためた7番人気の6歳馬
メイショウスザンナが、
松田大作騎手のGO
サインに鋭く反応。4コーナーからグイグイと末脚を伸ばして、1番人気
レッドリヴェールをクビ差で差し切り、デビューから37戦目で重賞初制覇を果たした。タイム1分47秒1(良)。次走は未定。さらに1馬身1/4差の3着には4番人気
イリュミナンスが入った。
秘めた才能が、ようやく北の大地で開花した。後方で末脚を温存して、しまい勝負にかけた
メイショウスザンナ。先に抜け出していた1番人気
レッドリヴェールを残り50メートルできっちりと捕らえ、デビュー37戦目で待望のタイトル獲得だ。
「メチャメチャうれしいですね。なかなか集中してくれないけど、真面目に走ればチャンスはあると思っていました。外枠(〔8〕枠(10)番)だったので後ろからと決めて乗りましたし、最後もしっかり伸びてくれました」
松田騎手が頬を紅潮させる。自身は今年3月の
ファルコンS(
タガノアザガル)に次ぐJRA重賞2勝目だ。
メイショウスザンナは3年前の3歳時にはGIII
フラワーCで2着に入り、
桜花賞(5着)をはじめ牝馬3冠レースに参戦。陣営から大きな期待をかけられていた。
新潟競馬場で観戦した高橋忠調教師は「どこかでタイトルを獲らせてあげたいと思っていました。年齢的に来年は繁殖かなと思っていたので、重賞を勝ててよかった」と喜んだ。そして、気ムラで集中力が続かない“お嬢さん”を走る気にさせるために尽力した厩舎スタッフについて、「一生懸命やってくれていました」と語り、労をねぎらった。
次走は未定だが、タイトルの味を覚えた6歳牝馬
メイショウスザンナが、今後の重賞戦線を盛り上げてくれるに違いない。 (片岡良典)
★2日札幌11R「
クイーンS」の着順&払戻金はこちら
メイショウスザンナ父
アグネスデジタル、母グリーンオリーヴ、母の父サンデーサイレンス。鹿毛の牝6歳。栗東・
高橋義忠厩舎所属。北海道新冠町・北星村田牧場の生産馬。馬主は松本好隆氏。戦績37戦5勝。獲得賞金1億2828万円。重賞初勝利。
クイーンSは
高橋義忠調教師、
松田大作騎手ともに初勝利。馬名の意味は「冠名+モーツァルト作曲『フィガロの結婚』のフィガロの結婚相手」。