第64回
ラジオNIKKEI賞(5日、福島11R、GIII、3歳オープン国際(特指)、ハンデ、芝1800メートル、1着本賞金3700万円=出走16頭)トップハンデ56.5キロで1番人気の
アンビシャスが、父
ディープインパクト譲りの末脚を繰り出して3馬身半差の圧勝。重賞初制覇を飾った。タイム1分46秒4(良)。この後は放牧を挟んで、
毎日王冠(10月11日、東京、GII、芝1800メートル)から天皇賞・秋(11月1日、東京、GI、芝2000メートル)が有力。2着は4番人気
ミュゼゴースト、3着には12番人気
マルターズアポジーが入った。
292メートルの短い直線でケタ違いの末脚を見せつけた。1番人気
アンビシャスが接戦の2着争いを尻目に、上がり3ハロン最速となる34秒3の切れ味で、2着
ミュゼゴーストに3馬身半差をつける大楽勝。鮮やかな重賞初制覇だった。
「内枠だったのでもう少し前に行きたかったが、ペースが速かったので。でも、いつもよりリラックスして走ってくれたし、4コーナーを回っての加速がすごかった」
雲が覆う空とは対照的に、ルメール騎手は満面の笑みだ。福島は初めて参戦したが、土日で6勝を挙げて重賞もゲット。「コースは問題なかったし、いっぱい勝てた。とても楽しかった」。福島のファンの前で華麗な手綱さばきを披露した。
道中は先行争いを見ながら中団のイン。4コーナーでは馬群に突っこんでいくと、直線入り口であいた一瞬のスペースを見逃さず外に持ち出した。
アンビシャスがエンジンを点火すると、他馬との勢いは歴然。一瞬で勝利を決定づけた。
ハンデ戦となった2006年以降、トップハンデ馬は初勝利で、56・5キロも優勝馬では最も重い斤量。しかも、3馬身半差は、ハンデ戦となって最大着差。ハンデキャッパー泣かせの結果となった。
「きょうは一番折り合いが良かった。完璧に乗った形だから余計に強かったね」と音無調教師。オーナーサイドとの協議で距離適性を考慮し、ダービーを回避した経緯があっただけに、最高の結果を出せて喜びもひとしおだろう。この後は福島県のノーザンファーム天栄に放牧。秋は
毎日王冠から天皇賞・秋のローテーションが有力だ。
みちのくで勝ちどきを挙げた
アンビシャスが秋は古馬の王道へ。“大望のある”逸材に期待は膨らむばかりだ。 (板津雄志)
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アンビシャス 父
ディープインパクト、母カーニバルソング、母の父
エルコンドルパサー。黒鹿毛の牡3歳。栗東・
音無秀孝厩舎所属。北海道浦河町・辻牧場の生産馬。馬主は近藤英子氏。戦績6戦4勝。獲得賞金9293万3000円。重賞初勝利。
ラジオNIKKEI賞は
音無秀孝調教師、クリストフ・ルメール騎手ともに初勝利。馬名の意味は「大望のある」。