11月2日は、GIレースの中でも最も歴史がある第150回天皇賞・秋(芝2000メートル)が、東京競馬場で行われる。
昨年、今年と春の天皇賞を連覇した
フェノーメノ(美浦・
戸田博文厩舎、牡5歳)は、春の天皇賞以来、6カ月ぶりの実戦だ。9月半ばから美浦Wコースで時計を出し始めて、ここまで6本の追い切りを消化。ひと追いごとに体調が上向いて、久々でも力を出せる状態に仕上がってきた。23日の1週前追い切りは美浦Pコースで併せ馬を行い、6ハロン79秒3(ラスト1ハロン12秒6)で3馬身先着。動きの良さも目立ってきた。「休み明けでも走れるし、余裕を持って調整できている」と
蛯名正義騎手も天皇賞4勝目に向けて自信を見せている。
皐月賞馬
イスラボニータ(美浦・
栗田博憲厩舎、牡3歳)は
菊花賞に向かわず、古馬相手の天皇賞に照準を定めてきた。22日の1週前追い切りは、美浦Wコースで6ハロン82秒1を馬なりでマーク。「落ち着きが増して、精神面にも成長を感じる」と栗田博調教師も力を込める。2002年の
シンボリクリスエス以来、史上4頭目となる3歳馬の優勝となるか注目だ。今回は、主戦の蛯名騎手が先約のあった
フェノーメノに騎乗するため、今週から短期免許で騎乗するフランスのクリストフ・ルメール騎手とコンビを組む。
2012&13年と
ジャパンCを連覇し、今春は
ドバイシーマクラシックを制した
ジェンティルドンナ(栗東・
石坂正厩舎、牝5歳)も参戦する。
宝塚記念9着以来の実戦となるが、もともと仕上げに手間取らないタイプ。昨年も同じように
宝塚記念(3着)からぶっつけで臨んで2着だった。久々は苦にしない。GI6勝の実績はメンバー中最上位で、東京コースは【3・1・0・0】とパーフェクト連対。得意コースでGI7勝目となるか。
昨年の
菊花賞馬
エピファネイア(栗東・
角居勝彦厩舎、牡4歳)は今春の香港・クイーンエリザベス2世C4着からぶっつけで挑む。栗東に帰厩後はCWコースと坂路を主体に十分な乗り込み量を消化。今週のひと追いでほぼ仕上がってくるだろう。あとは久々の実戦で気負いすぎなければ、能力的にも好勝負になるはずだ。
今年のサマー2000シリーズの
チャンピオン、
マーティンボロ(栗東・
友道康夫厩舎、牡5歳)は今年になって急成長した1頭だ。
中日新聞杯がハナ差、前走の
新潟記念がクビ差と接戦で強い印象がある。ゴール前で混戦になれば出番はありそうだ。南半球への輸出を踏まえて8月に生まれた変わり種。遅咲きの素質馬が勢いに乗ってGI制覇に挑む。
他にも
産経賞オールカマーを快勝した
マイネルラクリマ(美浦・
上原博之厩舎、牡6歳)や、牝馬ながらも決め手の鋭さは牡馬相手でもヒケを取らない
デニムアンドルビー(栗東・
角居勝彦厩舎、牝4)も侮れない存在だ。また、この秋は
スノードラゴン、
ショウナンパンドラ、
トーホウジャッカルといずれも重賞未勝利馬がGIを制している。出走予定メンバーの中で唯一、重賞勝ちがない
スピルバーグ(美浦・
藤沢和雄厩舎、牡5歳)は全5勝を東京で挙げているコース巧者。
毎日王冠3着もやや脚を余し気味だった内容で、トレンドに乗って一気の戴冠もありそうだ。