第64回
東京新聞杯(17日、東京11R、GIII、4歳上オープン国際、別定、芝1600メートル、1着本賞金3800万円=出走14頭)輸送熱の影響で
リルダヴァル、
サトノシュレンの関西馬2頭が取り消して行われた。優勝したのは中団から伸びた8番人気
ホエールキャプチャで、1993年の
キョウワホウセキ以来21年ぶり7頭目の牝馬の勝利となった。タイム1分33秒2(重)。春の大目標
ヴィクトリアマイルに向け、最高の形で今年のスタートを切った。1馬身差2着に3番人気
エキストラエンド。昨年の覇者で5番人気
クラレントが3着。1番人気
コディーノは4着だった。
雪が残る東京で白い馬体が躍った。8番人気の低評価をあざ笑うかのように、
ホエールキャプチャが得意の東京マイルで男たちを一蹴してみせた。
「驚いたよ。僕の見る目がありませんでした。すみません」
デビュー6年目の1992年から23年連続重賞制覇となった蛯名騎手も、激走に驚きを隠せない。牝馬の57キロは牡馬なら59キロに相当。3カ月の休み明けで背負う厳しい斤量に、陣営のトーンは上がらなかった。しかし、
クイーンC勝ちに2度走った
ヴィクトリアマイルで1、2着と得意の舞台なだけに、馬自身が勝ち方を知っていた。
道中は中団に控え、直線で外に持ち出すと
コディーノなどの強豪牡馬を追い上げ、最後は2着を1馬身突き放す完勝。「1週延びて調教をやれたのも大きかったね」と蛯名は大雪の影響で9日から延期されたことも勝因に挙げた。
驚いたのは田中清調教師も同じ。「えらい馬だよ。1週延びて気合が乗っていた。東京マイルのGIが楽しみになったよ」と、史上初の2勝目がかかる
ヴィクトリアマイル(5月18日、東京、GI、芝1600メートル)に向けて自信を得たどころか、牡馬を破ったことで
安田記念(6月8日、東京、GI、芝1600メートル)にも夢は広がった。
すっかり白くなった6歳の芦毛牝馬
ホエールキャプチャが、得意の舞台でこの春シーズンもファンを魅了する。 (柴田章利)
ホエールキャプチャ 父
クロフネ、母グローバルピース、母の父サンデーサイレンス。芦毛の牝6歳。美浦・
田中清隆厩舎所属。北海道新ひだか町・千代田牧場の生産馬。馬主は嶋田賢氏。戦績23戦7勝(うち地方1戦0勝)。獲得賞金は4億8254万2000円(すべて中央)。重賞は2011年GIII
クイーンC、GII
ローズS、12年GI
ヴィクトリアマイル、13年GII
府中牝馬Sに続く5勝目。
東京新聞杯は、
田中清隆調教師が初勝利、
蛯名正義騎手は1998年
ビッグサンデーに次ぐ2勝目。