第148回天皇賞・秋(27日、東京11R、GI、3歳上オープン国際(指)、定量、芝2000メートル、1着本賞金1億3200万円 =出走17頭)驚異の末脚で強敵を一蹴、古馬の頂点に立った。
福永祐一騎乗の5番人気
ジャスタウェイが直線一気に突き抜けて4馬身差でV。3戦連続2着だった善戦マンが、ついにGI初制覇を叶えた。タイム1分57秒5(良)。今後は
有馬記念(12月22日、中山、GI、芝2500メートル)や来春のドバイ遠征が視野に入る。1番人気
ジェンティルドンナは2番手から伸びきれず2着。3着には前年の覇者
エイシンフラッシュが入った。
年度代表馬も、前年の覇者も、一瞬で置き去りにした。
ジャスタウェイが断トツの上がり3ハロン34秒6の豪脚で中団から突き抜けてくる。4冠牝馬
ジェンティルドンナに4馬身差をつける圧勝劇。
菊花賞(
エピファネイア)に続く2週連続GI制覇に福永騎手の右手が誇らしげにあがった。
「直線で外に出したら反応がすごくて。あまりに早く他馬を置き去りにして、僕が戸惑ったくらい。
ジェンティルドンナも見えなかった」
昨年の年度代表馬もかすむほどの末脚にユーイチは驚きの表情だ。
課題であるスタートに最善を尽くした。「レースの直前にゲート練習をした。やらないよりやったほうがいいと思って、やらせてもらった」とユーイチ。異例の直前リハーサルの効果もあり互角のスタートを切り、中団の絶好位で流れに乗れた。
3、4コーナーで内か外か、進路の判断を迫られたときは「馬場状態を考えてインに行こうと思っていたが、外に道ができていた」。あとは府中の長い直線で自慢の切れ味を発揮するだけ。昨年2月の
アーリントンC以来の勝利をGI初制覇で飾った。
ユーイチは春秋通じて天皇賞初制覇。「レース前に君が代を聴いて、厳かな気持ちでゲートに入れた。天皇賞は最高のステータス」と喜んだ。
牡馬クラシック初制覇となった
菊花賞後に、気心の知れた仲間たちが、サプライズで祝勝会を開いてくれた。妻の翠(みどり)さんと参加したユーイチは「自分はまだまだうまくなれると思っていますし、これからも頑張ります」とさらなる活躍を誓った。
今年は結婚し、来年3月には子供が生まれる予定。守るべき家族ができて、さらにジョッキーとしても強くなれた。「子供がおなかにいるときはパワーをもらえると言うしね」と目を細めた。
「年度代表馬
ジェンティルドンナを破ったし、どんなレースでも胸を張っていける」とユーイチ。このあとは
有馬記念、来春のドバイ遠征などが視野に入る。最高のパートナーとともに、
ジャスタウェイがさらなる高みを目指す。 (板津雄志)
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