第30回
エプソムカップ(9日、東京11R、GIII、3歳上オープン国際(特指)、別定、芝1800メートル、1着本賞金4000万円 =出走14頭)
岩田康誠騎乗の4番人気
クラレントが、逃げた
スズジュピターの2番手追走から直線で先頭に立ち、3番人気
ジャスタウェイの猛追をハナ差で退けて重賞4勝目を挙げた。タイム1分45秒7(良)。今後は天皇賞・秋に挑戦するプランが浮上するなど、陣営の夢は広がる。3着は7番人気
サンレイレーザー。1番人気
サトノアポロは伸びを欠いて7着に敗れた。
「勝ったのはどっちやねん」。検量室前に引き揚げてきた
岩田康誠騎手が思わず口にするほどの大接戦は、ハナ差で
クラレントが制した。
「勝ったと思ったけど、ずっと(ターフビジョンに)
ジャスタウェイが映ってるから…」
岩田騎手が写真判定の結果に安堵した。
3番枠からスタート。外から大逃げを打った
スズジュピターの離れた2番手で折り合った。直線は残り400メートルからスパート。先頭に立っても差し馬はなかなか追いつかず、岩田騎手が勝ったと思ったそのとき、内から
ジャスタウェイの強襲に遭ったが、ぎりぎり粘り込んだ。
「最後はソラを使っていた(気を抜いていた)けど、馬と僕の気持ちで勝てました。
安田記念を除外されて悔しさもあったし、GI級の力があるから、秋にもっとパワーアップしてほしい」
GIII3勝目。重賞はGII1勝を含めて4勝目だが、ジョッキーはさらに上を狙っている。
橋口弘次郎調教師の気持ちも同じだ。東京・芝1800メートルの重賞を制したことで「岩田サマサマやな。勝ったときには天皇賞・秋も頭にちらついた」。
マイルCS(11月17日、京都、GI、芝1600メートル)だけでなく、天皇賞・秋(10月27日、東京、GI、芝2000メートル)も視界に。もうGIII、GIIのタイトルはいらない。秋にもっと輝かしい勲章を手に入れる。(柴田章利)
クラレント 父
ダンスインザダーク、母
エリモピクシー、母の父ダンシングブレーヴ。栗毛の牡4歳。栗東・
橋口弘次郎厩舎所属。北海道新冠町・ノースヒルズマネジメントの生産馬で、馬主は前田晋二氏。戦績14戦5勝。獲得賞金1億9646万3000円。重賞は2011年GII
デイリー杯2歳S、12年GIII
富士S、13年GIII
東京新聞杯に次ぐ4勝目。
エプソムCは
橋口弘次郎調教師、
岩田康誠騎手ともに初勝利。
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