第20回
青葉賞(27日、東京11R、GII、3歳オープン国際(指)、馬齢、芝2400メートル、1着本賞金5200万円、1、2着馬にダービーの優先出走権=出走18頭)
蛯名正義騎乗の7番人気
ヒラボクディープが、力強い末脚で差し切って重賞初制覇。同じ舞台で行われるダービー(5月26日、東京、GI、芝2400メートル)の手応えをつかんだ。タイム2分26秒2(良)。2着
アポロソニックまでがダービーの優先出走権を獲得。1番人気
レッドレイヴンは11着に敗れた。
仲間の無念を心にダービーへ名乗りを上げた。7番人気の低評価を覆し、
ヒラボクディープが本番と同じ舞台のトライアルで重賞初制覇だ。
「余裕を持って追い出しを我慢した。いい競馬をすると思ったし、何とか勝ってほしいと追った」
昨年の
フェノーメノに続く
青葉賞連覇、通算3勝目を挙げた蛯名騎手が笑顔で答える。道中は4番手のインを進み、直線で外から父
ディープインパクト譲りの豪脚を発揮。粘る
アポロソニックをアタマ差ねじ伏せた。
「国枝厩舎の
カミノタサハラがリタイアし、残念な気持ちがあった。この馬で権利を獲りたいと思っていたからね」
ダービー向きと期待の高かった大器は
皐月賞4着後に屈腱炎が判明。ダービーの騎乗馬がいなくなる危機に蛯名も力が入っていた。「タサハラも東京で走らせたかった。そのぶんも頑張らないと」と国枝調教師も気持ちは同じだ。追い切り前に放馬するアクシデントがあり、トレーナーは「人を落とそうとするので返し馬が心配だった」そうだが、落ち着いてこなした。
「ダービーの条件で勝ったから“リーチ”をかけたかな。相手は強くなるが、東京なら」と2003年(
マイネルソロモン18着)以来、2度目の挑戦となる国枝師がいえば、「もう少し芯が入ると、さらにいいパフォーマンスができる」と蛯名もヤル気。昨年は
フェノーメノでハナ差2着に敗れて涙を流しただけに今年への思いは強い。
父
ディープインパクト、母の父ストームキャット、生産・下河辺牧場は
桜花賞馬
アユサンと同じ。時流に乗った
ヒラボクディープがホースマン最高の栄誉であるダービーへ向けて突き進む。 (森田実)
27日東京11R
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ヒラボクディープ父
ディープインパクト、母キャットアリ、母の父ストームキャット。黒鹿毛の牡3歳。美浦・
国枝栄厩舎所属。北海道日高町・下河辺牧場の生産馬で、馬主は(株)平田牧場。戦績5戦3勝。獲得賞金は7146万8000円。重賞初勝利。
青葉賞は
国枝栄調教師は初勝利。
蛯名正義騎手は2004年
ハイアーゲーム、2012年
フェノーメノに次いで3勝目。